おしゃれなカフェはもちろん、有名チェーン店やコンビニエンスストアなど、今やいろんなところで美味しいコーヒーを飲むことができます。店によっても価格設定は異なりますが、実際のところコーヒーの原価率はどのくらいなのでしょうか?カフェ経営者に、コーヒーの裏話をコッソリ聞いてみました。

コーヒー1杯の純粋な原価率は約12%

(写真=PIXTA)

そもそも原価とは、その商品を作るのにかかる費用のことで、原価率は「売上高のうち何%が原価か」を意味します。原価率が低いほど、売上高に占める原価の割合は小さく、そのぶん、お店側の利益は大きくなるということです。

コーヒー1杯を作る場合、最低限必要な材料としてはコーヒー豆が挙げられます。業務用などで一般的に使われるコーヒー豆は、家庭など一般的に使用されるもの1kgで3,000円前後です。コーヒー1杯を作るのには10~12g程度のコーヒー豆が必要です。1杯12gと考えると1kgから約83杯作れるため、コーヒー1杯の原価は約36円となります。

カフェなどで飲むコーヒーは、安いもので1杯200円から300円ほどなので、300円と仮定した場合の原価率は「36円(原価)÷300円(売上高)×100」で約12%といったところです。

コーヒー豆のグレードに応じて原価率は変わる

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ただしコーヒーの原価は、使用するコーヒー豆のグレードにより大きく変わってきます。ブルーマウンテンやハワイコナなどブランドが確立されているプレミアムコーヒーになると、1kgあたり平均で5,000円から1万円ほどです。知り合いのカフェ経営者の店では、1kg1万円以上するするコーヒー豆を使うこともあるんだとか。

もちろん、高いコーヒー豆を使用しているコーヒーは、そのぶん販売価格も高く設定することになるでしょう。同じコーヒーでも価格に大きな開きがある理由のひとつには、このようなコーヒー豆のグレードも大きく影響しているといえます。

プラスで家賃や人件費も必要

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上でご紹介したのは、あくまでコーヒー1杯にかかる原材料費です。実際にコーヒーをお店で提供するとなると、これ以外にも店舗の家賃や人件費、水道光熱費などが発生します。さらに細かいところでは、ミルクや砂糖、おしぼりの仕入れなども必要です。

例えば、販売価格400円、原価率12%のコーヒーを主に販売している場合、コーヒー1杯で得られる利益は400-48=352円となります。ここからさらに家賃などの経費を差し引くので、利益はさらに減ると考えられます。

知り合いのカフェ経営者は「美味しいコーヒーをこだわりのカップを使って飲んでほしいので、カップへの投資も惜しみません」と言っていました。コーヒー豆以外にも、独自のこだわりにお金をかけていれば、その分利益から差し引かれることになります。