「東野さんは『白い悪魔』と称されているように、他人の不祥事や、あまり触れられたくないような話題でも、土足で踏み込んでいきます。ただ、土足で踏み込むものの、中を余計に荒らすわけではなく、その現場を検証することもない。荒れた現場に土足で踏み込んで、その荒れ具合を見て楽しんでいるだけなんです。だから責任を負わされることはないし、自分から負いにいくこともない。究極の傍観者を貫いています。

 また、『人にとって大切なもの』を失ったように見せているところもすごい。喜怒哀楽のいずれの感情に対しても、本気で心を込めていないように見える。バラエティ番組とはいえ、誰かの悲しい話を楽しそうに聞くことができるのは東野さんくらい。もちろん実際の東野さんはちゃんと人間性を持っているはずですが、お笑い芸人として、心がないように振る舞えるところが大きな武器です。だからこそ変に感情移入したり、持論を押し付けたりもしない。なにものにも染まらない様子や立ち居振るまいが、番組の仕切り役として重宝されている理由かと思います。

 もちろん若手時代は、たくさん体を張ってきました。たとえば『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)では、女性アイドルとのプロレス企画『キャリー東野のアイドル虎の穴』で、ボコボコにされた上、嘔吐する姿も放送されたのは有名な話です。もしかするとそういった過酷な企画に臨み続け、自分をさらけ出してきた経験から、かつての自分のように大変な目に遭っている芸人を見ると逆におもしろくてたまらないのかもしれません」

関西では盤石…実はピンチじゃない?

 レギュラー番組の相次ぐ終了決定で東野が窮地に陥っていると複数のメディアで騒がれているが、田辺氏は異なる視点を指摘する。

「個人的には、東野さんはなにもピンチに陥っていないと考えています。というのも、関西の番組では東野さんの姿をたくさん見ることができるからです。東野さんの番組の代表格は、今やカンテレ(関西テレビ)が制作・放送する『お笑いワイドショー マルコポロリ!』です。この番組は、東京でどれだけ力があるといわれる若手芸人であっても『帰りの新幹線で落ち込むことになる』と言われるほど、出演者にとっては大変な番組です。