
▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
厚生年金の平均受給額は約15万円
公的老齢年金には「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金(国民年金)」の2種類があります。このうち、老齢厚生年金は会社員として厚生年金保険に加入していた人(第2号被保険者)が、老齢基礎年金に上乗せして受け取れる年金です。
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点の老齢厚生年金の平均年金受給月額は、基礎年金部分を含めて14万7360円です。表題の「月8万円」と比べると6万円以上多い数字ですが、1ヶ月の生活資金としては決して多いとはいえないでしょう。
国民年金のみの人は満額でも約7万円しかもらえない
老齢基礎年金(国民年金)は、第2号被保険者のほか、自営業者や学生などの国民年金保険加入者(第1号被保険者)や配偶者の扶養に入っていた人(第3号被保険者)が、国民年金保険や厚生年金保険の加入期間に応じて受け取れる年金です。
厚生年金保険の加入期間がなく、受け取れる老齢年金が老齢基礎年金のみの人の場合、受け取れる年金の金額は、最大で約7万円(令和7年度は6万9308円)しかありません。
最大額の年金を受け取れるのは、20歳から60歳になるまでの40年間に、1度も免除や未納の月がない人です。保険料を納付していない期間がある場合は、その期間に応じて受け取れる年金額は少なくなります。
「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点の老齢基礎年金の平均年金受給月額は5万7700円(老齢厚生年金の受給権者を含む)です。「8万円」と比べても2万円以上少なく、老齢基礎年金のみで老後の生活費をまかなうのは困難であることがうかがえます。