頑張り屋のなおにゃんさんが、頑張ることを放棄した瞬間でした。やっと「もうすでに頑張っている」と理解したのです。

再び「逃げよう」と決意して、2度目の休職に突入します。今度こそ、しっかり休もうと一念発起するものの、うつの苦しみは、ここから新たな局面を迎えるのです。

うつになって、逃げて逃げて、やがて新天地を見つけるまで。心身がアップダウンした人生の寄り道は、決して無駄ではなく、成長への旅でした。ぜひあなたも、なおにゃんさんが経験した、うつの先の景色を見つめてみてください。

<文/森美樹>

【森美樹】

小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx