会社員の場合、年金は毎月天引きで払っているため普段あまり意識することはないかもしれません。しかし、「将来の年金、いったいいくらもらえるんだろう?」とふと不安に感じたことがある人は多いのではないでしょうか。ここでは、年金について基礎から徹底解説します。将来に不安を抱えている人は必見ですよ。
年金の基本をおさらい
日本の年金制度は3階建て
日本の年金制度は3階建てといわれています。1、2階が公的年金で、3階は私的年金です。
1階部分は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金。2階部分に、会社員や公務員が加入する厚生年金があります。法律上、株式会社などの法人は、社長1人の会社でも厚生年金に加入することになっています。ですから、法人にお勤めの方であれば、厚生年金には必ず加入します。なお、個人経営の事業所については加入が任意のケースがありますから、厚生年金に加入しているとは限りません。
企業の中には社員の老後のため、さらに独自の年金制度を上乗せするところもあり、それが3階部分の企業年金です。
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5分で分かる「企業年金」と「厚生年金」の違い(2019/03/15公開)
厚生年金保険料はなぜ高い?
毎月の給与明細を見てみると、総支給額から厚生年金や雇用保険、健康保険などが差し引かれて手取り額が決まっていることがわかります。中でも、自営業者などが加入する国民年金は未納の人もいるという話をニュースで聞き、厚生年金保険は強制的に払わなければならないし、金額も高いし、不公平だと思っている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は厚生年金保険が国民年金と比べてどれだけお得かをご紹介します。
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厚生年金保険料はなぜ高い?会社員の年金額を国民年金と比較(2020/07/21公開)
国民年金基金とは
国民年金基金は、国民年金法にもとづく公的年金です。
<加入できる人>
- 自営業やその家族、学生、自由業など国民年金の第1号被保険者(農業者年金加入者と国民保険料免除者除く)
- 任意で国民年金保険料を払っている60~65歳の人と海外居住者
以上の人が対象となりますが、国民年金や厚生年金と違い加入は任意です。毎月払う「掛金」は口数制で、選択する給付の型(終身型、確定型)、加入口数、加入時の年齢、性別により掛金額が決まります。
掛金の上限は6万8000円。年金の種類は60歳または65歳から支給される老齢年金と、遺族に支給される遺族一時金があります。
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国民年金基金に破綻リスクはあるの?加入するメリット・デメリットも解説(2019/04/17公開)
将来もらえる年金の計算方法
国民年金、満額いくらもらえる?
国民年金は40年間分の保険料を全額支払うと、65歳から満額の年間77万9,300円が支給されます。だいたい1ヵ月当たり6万5,000円が受給できる上限ということですね。
支給される金額は、保険料を支払った期間や支給開始年齢を前後にずらすかどうかによっても変わりますが、平均受給額は月5万5,000円となっています(厚生労働省「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」より)。
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国民年金、満額いくらもらえる?支給額を年収別に解説(2019/02/17公開)
「専業主婦の年金」いくらもらえる?もらえる年金を増やすには?
「主婦」とは、一般的に育児や家事など家庭の運営を管理する立場の既婚女性のことを指します。主婦には、仕事に就いて収入を得ている方も含まれますが、「専業主婦」は、「農林業以外に就業している夫に扶養されていて、仕事に就いていない妻」と厚生労働省で定義されています。仕事に就いていないということは、自分では厚生年金に加入していないということですから、将来受け取る公的年金は少ない金額になります。専業主婦のままだと年金はいくらもらえるのでしょうか? 増やしたい場合の対策もご紹介します。
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「専業主婦の年金」いくらもらえる?もらえる年金を増やすには?(2019/11/13公開)
厚生年金の平均受給額はどれくらい?
会社勤めの人は公的年金制度の厚生年金に加入しています。給与明細を見ると、会社と折半された厚生年金の保険料が毎月天引きされていますね。受給額は、給与だけでなく勤続年数によっても年金額が変わりますが、将来受け取る自分の年金受給額の参考になります。確認してみましょう。
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厚生年金の平均受給額はどれくらい?私が受け取れるのはいくら?(2019/01/30公開)
年収300万円おひとりさまの年金額をシミュレーション
もし22~65歳まで平均年収300万円として会社員として働き、国民年金は20歳から納めたとすると、もらえる年金額は下記のようになります。
老齢基礎年金(国民年金)
2万円×40年(20~60歳)=約80万円
老齢厚生年金(厚生年金)
300万円×0.55%×43年(22~65歳)=約70万9,500円
老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計
80万円+70万9,500円=約150万円
このケースでは年間約150万円、1ヵ月あたり12万5,000円がもらえる年金額というわけです。
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年収300万円おひとりさまの年金はいくら?年金の計算方法を解説(2018/06/07公開)
企業年金っていくらもらえる?受取額の平均は……
退職金は企業に勤める楽しみの1つですよね。企業によっては追加で企業年金の制度もあり、今から楽しみにしている方もいるのではないでしょうか。ただ企業年金や退職金の制度は少し複雑で、「いったいいくらもらえるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。企業年金の制度や受け取り額の平均についてお伝えします。
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企業年金っていくらもらえる?受取額の平均は……(2019/11/15公開)
扶養に入れたい・入りたい時は
厚生年金の扶養は配偶者だけ
扶養とは、自分の力だけでは生活を維持できない者に対する生活上の援助のこと。扶養に入るという場合、大きく分けて「税法上の扶養(所得税、住民税)」と「社会保険上の扶養」の2通りあり、それぞれ適用条件が異なります。
さらに、社会保険上の扶養には、健康保険と厚生年金の2通りがあります。健康保険は、一定の条件に当てはまれば親や子でも扶養に入れることができますが、厚生年金は健康保険と適用条件が異なり、扶養に入れるのは配偶者のみです。
事実婚など内縁関係の配偶者も対象になりえます。内縁関係にある人を扶養に入れる際には、「内縁関係にある両人の戸籍謄(抄)本」、「被保険者の世帯全員の住民票」など、内縁関係を確認するための書類が必要です。
なお、日本では同性の結婚は認められていないため、同性パートナーは内縁関係と異なり、厚生年金の扶養に入ることはできません。
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厚生年金の扶養に入る条件と注意点。将来の受取額はいくら?(2019/03/09公開)
年金受給の親を扶養に入れるメリットと条件
扶養家族がいると税金や社会保険料が安くなる「扶養控除」が使えます。配偶者や子がいる場合に利用することが多い制度ですが、実は年金収入のある親を扶養に入れられることも。そこで今回は、扶養控除の制度の基礎と、親を扶養に入れるメリットや手続きについてご紹介します。
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家族を扶養に入れるとお得なの?年金受給の親を扶養に入れるメリットと条件(2019/01/26公開)
年金手帳とは?失くした時・情報変更したい時の対処法
年金手帳の基礎知識
年金手帳は、「何となく大切なもの」という認識はあるかもしれません。しかし、「年金保険料は支払っているけれど手元にはない」「会社に預かってもらっていると思っていた」など正しい扱いがいまいちわからないという人も多いでしょう。今回は、年金手帳の基礎知識や保管方法、紛失した場合の手続きなどについて解説します。
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年金手帳は会社に預けるもの?その理由や手帳の種類をおさらい(2019/01/01公開)
年金手帳を失くしても即日発行できる?
転職するときなど、入社する会社に年金手帳の提出が必要です。明日提出しないといけないのに、ここに置いておいたはずの年金手帳がない!なんてことが起きると焦りますよね。しかし、年金手帳は再交付できます。即日交付できるケースもあるので、慌てずに手続きを行いましょう。
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年金手帳を即日再発行する方法とは?郵送申請でかかる時間は?(2018/12/28公開)
窓口で即日発行しない場合は郵送で再発行
再発行された年金手帳は、原則として郵送で届きます。自分で手続きをした場合は、日本年金機構で管理されている住所に、事業所を経由して手続きをした場合は事業所に届けられます。
郵送で届くため、再発行までにかかる期間は、早くて数日もしくは1ヵ月程度と考えておいたほうがいいでしょう。就職して会社に提出するなどの時間がない場合は、年金事務所の窓口で即日交付が可能なので、そちらを利用したほうが無難です。
ただし、即日交付は、緊急性があること、本人が出向くこと、運転免許証などの本人確認書類を持参することが条件となっています。
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年金手帳を失くしたとき再発行は郵送でできる(2018/12/31公開)
結婚・離婚で氏名が変わった時の年金手帳の手続き
結婚・離婚をしたとき、免許証やパスポート、銀行口座などの氏名・名義変更が必要になりますが、年金手帳も変更の手続きをしなければなりません。どのような手続きが必要になるかを確認しておきましょう。
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結婚・離婚で氏名が変わった!年金手帳の手続き方法を分かりやすく解説(2018/12/24公開)
年金が支払えない時は
年金を支払わないとどうなる?
会社員は、給料から引かれる厚生年金保険料とともに「国民年金」を自動的に払っています。しかし、転職のタイミングや個人事業主として働いている場合(第1号被保険者)は、自分で納めないといけません。ついうっかり年金を未納にしてしまった、経済的に苦しくて未納にしてしまったという人もいるのではないでしょうか。
今回は、年金保険料を払わないとどうなるのか、また、経済的に年金が払えない状況のときにはどうしたらよいのか、その対策について解説します。
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国民年金未納の恐ろしい結末とは?当てはまる人は急いで対策を(2019/05/12公開)
国民年金の「特別催告状」とは
国民年金の保険料を滞納してしまっていると、日本年金機構から「早く支払ってください」という内容の手紙が届きます。特に、ピンクの封筒で届いた場合は要注意!放っておくと大変なことになってしまいますよ。
詳細はこちら。
国民年金の「特別催告状」が届いたらすぐにやるべき4つのこと ピンクの封筒=ピンチ!(2020/05/29公開)
失業中は国民年金の支払いが免除できる
失業して収入がなくなってしまうと、年金保険料の支払いも経済的に難しくなるかもしれません。そんなときは「免除」の手続きをして負担を軽くしましょう。保険料が免除になる条件や手続き方法について解説します。
詳細はこちら。
失業中は国民年金の支払いが免除できる?条件や手続きを解説(2019/11/25公開)
免除してもらっても半額は年金が受け取れる
年金を免除してもらった場合、受給できる年金額はどのようになるのでしょうか?国民年金の保険料支払いが免除になる手続きをすると、「将来年金が受け取れないのでは」と心配になる人も多いと思いますが、免除期間でも国庫の負担割合は2分の1で計算されます。
ですから、保険料免除の申請をして全額が免除になっても、半額は年金を受け取ることができるのです。ただし、2009年3月までの免除期間は国庫負担が3分の1だったため、年金額も3分の1として計算されます。
詳細はこちら。
国民年金が免除になる条件は年収いくら?単身世帯はどうなる?(2018/12/25公開)
支払わなかった年金は追納するべき?
猶予や免除を受けている間は、年金を支払った期間とみなされますし、いったん保険料負担は減らすことができます。ただし、その分、満額の保険料を支払ったときよりも、将来受け取れる年金額が少なくなってしまいます。そこで、そのとき払えなかった分を、生活に余裕が出て支払えるようになったときに後から追加で納められる制度があります。これが「追納」です。
追納できるのは、過去10年以内の年金保険料です。免除や猶予を受けた期間から3年以上経っていると、当時の保険料に加えて経過期間に応じた「加算額」も必要になる可能性があります。追納するならできるだけ早めの方がいいでしょう。
詳細はこちら。
支払わなかった年金は追納するべき?お得になるかの分岐点(2019/05/13公開)
年金Q&A
将来年金がもらえなくなるかもしれないって本当?
現役世代が払っている保険料は、いまの高齢者の年金給付に充てられています。
現役世代が高齢者に仕送りをしているイメージです。
となると、この先ますます少子高齢化がすすみ、自分は年金を受け取れないのでは?という不安もわいてくると思います。
しかし、制度自体がなくなることはありません。
そこは政府も考えており、過去に積み立ててある保険料を運用しています。
この運用を取りくずす一方で、年金の受給額を減らすといった形で維持していくでしょう。
詳細はこちら。
「一生もらえる」年金のスゴイしくみをきちんと理解しよう(2018/12/14公開)
ねんきん定期便っていつ届く?届かない場合の対処方法は?
仕事を退職した後の老後の生活費は主に「退職金」「貯金」「年金」の3つがメインになります。受給から亡くなるまで受け取ることができる公的年金は、老後の資金計画を立てるうえで非常に大切です。年金情報は1年に1回届く「ねんきん定期便」を見ることで確実な情報を得ることができます。しかし、なかには何年も受け取った記憶がない……なんていう人もいるかもしれません。
今回はねんきん定期便が届かない原因や対処法、ねんきん定期便を受け取った後にできる老後の対策法などについて紹介します。
詳細はこちら。
ねんきん定期便が届かない?いつ届くのか、届かない場合の対処方法を紹介(2019/10/17公開)
ボーナスから引かれる厚生年金保険料はいくら?
賞与に対する厚生年金保険料は
「標準賞与額×保険料率」
という簡単な式で計算することができます。厚生年金保険料の保険料率は、18.3%です。
厚生年金保険料は会社と本人が半分ずつ負担して支払う労使折半のため、賞与から引かれる保険料(本人負担分)は「標準賞与額×保険料率×2分の1」となります。
詳細はこちら。
賞与(ボーナス)から引かれる社会保険の保険料ってどう計算されてる?(2020/05/29公開)
厚生年金から国民年金へ切り替え手続きが必要なケースは?
厚生年金から国民年金への切り替え手続きは自分で行う必要があります。切り替え手続きが必要なケースは、「病気や転職などで会社を一時的に退職する場合」「退職後、再就職しない場合」などがあります。会社に勤めていれば、社会保険関係の手続きは総務がやってくれます。いざ自分で手続きをする際には戸惑うことが多いものです。手続きが必要なケースと方法を詳しくご説明いたします。
詳細はこちら。
厚生年金から国民年金へ切り替え、手続き方法や手続きが必要なケースをわかりやすく解説(2019/01/04公開)
厚生年金と国民年金を二重で払ってしまった!
サラリーマンや公務員が加入する「厚生年金」と、無職の方や自営業者などが加入する「国民年金」。転職した際の手続きなどの関係で、同じ時期に両方の年金保険料を支払うケースがあります。納め過ぎた分はきちんと手続きをすることで返金されます。そこで重複納付してしまうケースや重複納付した場合の手続きを詳しく解説します。
詳細はこちら。
厚生年金と国民年金を重複納付した場合、還付請求できるって知ってる?(2019/01/29公開)
正しい年金の知識があれば老後も安心
年金は、20歳になると必ず支払わなければならないにも関わらず、正しい知識を持っている人は多くありません。しかし、老後の主な収入になる年金は、私たちにとって欠かせない重要なものです。支払った保険料や将来もらえる金額などはねんきんネットでも簡単に確認できるので、この機会に一度、老後や将来の年金について考えてみませんか。
文・fuelle編集部
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