国民年金の保険料を滞納してしまっていると、日本年金機構から「早く支払ってください」という内容の手紙が届きます。特に、ピンクの封筒で届いた場合は要注意!放っておくと大変なことになってしまいますよ。
目次
特別催告状ってなに?
特別催告状とは、「国民年金の年金保険料を支払っていない期間がある人」に届く文書のことです。公的年金の運営を国から委託されている、日本年金機構から届きます。
- 未納になっている年金保険料を支払うこと
- 何か理由があって支払いができない場合は連絡すること
催告状は放置しているとエスカレートしていく
日本年金機構から送られてくる 催告状には、複数のパターンがあります。 求められる内容は同じですが、未納のまま何の連絡もせず長期間放置しているとより強い文言に変化していきます。
「特別催告状」は、最初に催告状を送ってからしばらく経っても反応がない未納者に対して、第2段階として送られる書類です。
危険度によって封筒の色が違う
特別催告状の中にもさらに種類があり、 後になればなるほど深刻度が増します。通常は、以下の順番で送られてきます。
レベル1.催告状(圧着ハガキ)
年金が未納の状態になっていると、まず上記の「催告状」(現状をお知らせするハガキ)が届きます。未納になっていることを忘れている人や気付いていない人もいるので、思い出してもらうための軽い注意喚起のようなものです。
レベル2~4.特別催告状
上記の「催告状」をスルーしていると、「特別催告状」という書類が届きます。
封筒の色は青色・黄色・赤色(ピンク)の3種類がありますが、その意味は信号と同じように考えます。
・青色:まだセーフ
・黄色:少し危ないので注意
・赤色(ピンク):「危険」
ピンク色の封筒の郵便物を無視してしまうと、最悪の場合、財産の差押処分を受けることもあります。
馬場愛梨((ばばえりFP事務所 代表)
〈詳しくはこちら〉
国民年金未納は危険!老後に及ぼす影響を調査
特別催告状を無視し続けるとどうなる?
未納のままでも、「自分の年金額が減るだけだから納めなくても構わないだろう」と思う人もいるかもしれません。
しかし、国民年金保険料の未納が続いた場合、単に「年金がもらえない」だけでは済まされないので注意が必要です。
ただ単に「年金がもらえないだけ」ではない
これまで国民年金保険料は、その未納率の高さが問題視されてきました。近年、厚生労働省や日本年金機構はその問題を解決するため、 悪質と判断した未納者にはより強い姿勢で徴収を行う方針を示しています。
郵便によるお知らせだけでなく、何度も電話がかかってきたり、自宅まで訪問されたり、 最終的には自分や家族が築いてきた財産を差し押さえられることもあります。
取り立ては、年々強化されています。これまで「支払わなくても何ともなかった」という人でもそうはいかなくなってきているのです。
最終的には差押に
では、差押までの流れを確認しておきましょう。
特別催告状が来たのに何の対処もしないままでいると、その後「最終催告状」、「督促状」と順に届きます。延滞金や差押など不穏な単語が並び、どんどん強い文章になっていきます。
督促状
督促状の納付期限を過ぎてしまうと、延滞金(利子のようなもの)がかかって、 支払額がさらに増えます。突然、年金事務所から委託されている民間企業から督促の電話がかかってきたり、自宅へ訪問されたりすることも。
差押予告通知書
それでもまだ無視し続けると、差押予告通知書が来ます。もうこの段階になると、分割納付や免除の相談なども基本的に受け付けてもらえず、 期限までに一括で支払えない場合は、差押が始まります。
差押の実行
差押が始まれば、預金、車、家など、とにかく 未納額に達するまでお金になりそうなものをどんどん持って行かれることに……。
時効には期待しないほうがいい
国民年金の年金保険料を徴収する権利には「2年」という時効があります。納付期限(翌月末)から2年が過ぎたら、納めたくても納められない、取り立てたくても取り立てができなくなります。
ただし、「じゃあ2年経つまで待てばいい」と考えるのは早計です。実はこの時効は、督促によってリセットできるのです。 督促状が送られてきたら、時効までの残り期間がリセットされるということです。
「放置していれば時効になるから大丈夫」というわけにはいかないので、気を付けましょう。
馬場愛梨((ばばえりFP事務所 代表)ト
〈詳しくはこちら〉
国民年金、満額いくらもらえる?支給額を年収別に解説
特別催告状が届いたときの対処法4つ
ピンクの封筒が届いてしまったとき、 いちばんやってはいけないのは「無視」です。まずやるべきことは、以下の4つのいずれかです。
それぞれ詳しく説明していきます。
1.すぐに全額支払う
届いた書面の内容に従って、期日までに決められた方法で支払うのが最も理想的ではあります。
ただ、年金保険料数ヵ月分ともなるとまとまったお金が必要です。もし支払いが難しいという方は、次の3つを試しましょう。
2.分割払いで支払う
一括で支払うのが難しい場合、 最寄りの年金事務所に問い合わせれば分割で支払うための納付書を用意してもらえます。
未納期間のうち古いものから順に少しずつ納付していきましょう。
3.年金の「猶予」「免除」の手続きをする
所得が一定額以下で、分割でも支払いが厳しいなら「猶予」や「免除」を受けられます。
この手続きをしておくと、保険料を支払えていなくても未納にはなりません。万が一のときに障害年金や遺族年金がもらえるようになりますし、 「免除」なら老後の年金額にも(全額支払った人よりは少なくなりますが)反映されます。
馬場愛梨((ばばえりFP事務所 代表)
4.学生なら納付特例制度を活用
国民年金は20歳以上なら支払いの義務が発生します。しかし、まだ学生の場合は金銭的に難しいこともあるでしょう。この場合も、 申請すれば未納扱いにはなりません。
詐欺には注意して!
注意しておきたいのは、手元に届いた書類が本当に 「日本年金機構」からの正式な書類なのかどうかです。
似たような名前で届く詐欺文書も……
じつは近年、似たような名前で郵便物を送りつけられる事件が発生しています。
• 国民年金機構
• 厚生年金事務所
• 独立財団法人 年金機構
などといった、本来存在しない偽の団体名が送り主になっているようです。
「年金」「催告」「至急」「差押」などといった言葉に驚いて記載されている連絡先に問い合わせをしてしまうと、詐欺集団に個人情報を教えることになったり、未納金を支払うよう案内されて振り込め詐欺に巻き込まれたりするおそれがあります。
問い合わせは必ず「日本年金機構」へ
問い合わせをするなら、その書類に書いてある連絡先ではなく日本年金機構や最寄りの年金事務所の連絡先を自分で調べて、そちらに問い合わせるようにしましょう。
本物であれば、 ATMの操作を依頼してきたり、年金手帳や現金を受け渡すよう案内したりすることは一切ありません。
未納が続くと、日本年金機構が委託している民間業者が自宅に訪問してくることがありますが、その際「日本年金機構」が発行した身分証明書(徴収職員証)を必ず提示するはずです。
支払えないときはまずは年金事務所などに相談を
「催告されたとおりに年金保険料を支払うのが難しい」「差押は避けたい」という場合は、 できるだけ早く年金事務所か年金相談センターに相談しましょう。
支払いのための納付書が手元にない場合も、最寄りの年金事務所に依頼すれば再発行してもらえます。
電話相談でもOK
下記のように、電話で相談できる窓口もあります。
・ねんきん加入者ダイヤル(国民年金加入者向け):0570-003-004
いずれの場合も、手元に納付書か年金手帳など基礎年金番号がわかるものを用意して問い合わせるとスムーズです。
早めに対処しよう
自分から連絡するのは気が重いかもしれませんが、 後になればなるほど、支払いについて融通がきかなくなったり延滞金が発生したりするので、どんどん厄介になります。
手遅れになる前に相談すれば、どう対処するのが最善なのかていねいに教えてもらえるはずです。
〈詳しくはこちら〉
年金未納を続けた人の悲惨な末路 当てはまる人は要注意
特別催告状の放置にはデメリットしかない
「将来しっかりもらえるかもわからないのに年金なんて払う気がしない」という方もいるかもしれませんね。
でも、 年金の支払いは義務なので本来「支払わない」という選択肢はありません。将来一切もらえなくても構わないと思っていたとしても、差し押さえを拒むことはできないのです。
役所からの通知を無視してしまうのは、いちばんの悪手です。急に自宅に人が訪ねてきて督促されたり、ある日突然口座残高がゼロになったり、そんな面倒なことになる前に早めに対応しましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めてみる
iDeCo(個人型確定拠出年金)は「じぶん年金」の決定版であり、老後の資産づくりのための最強の制度です。iDeCoの魅力はたくさんありますが、特に次の3つが大きな魅力です。
- 税金の面でとても優遇されている
- 毎月5千円から始められる
- 投資信託の手数料がとても安い
老後に向けた準備としてiDeCoを始めるのに、おすすめのネット証券をご紹介致します。
2021年5月時点
会社名 | |||||
投資信託本数 | 36本 | 31本 | 26本 | 26本 | 39本 |
加入手数料 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 | ¥2,829 |
口座管理料 | ¥171 | ¥171 | ¥171 | ¥171 | ¥171 |
サポート体制 | 平日・土曜 8:00~18:00 ※土曜は新規加入に関する 問い合わせのみ受付 |
平日10:00~19:00 土曜9:00~17:00 |
平日10:00~19:00 土曜9:00~17:00 |
平日9:00~20:00 土日9:00~17:00 |
平日8:30~17:00 |
特徴 | ・iDeCo加入者数No.1で10年の実績をもつネット証券最大手 ・iDeCo専用ロボアドバイザーによって好みに合った商品を選択できる |
・資産運用しやすい管理画面 ・無料セミナーなどの充実したサポート |
残高に応じてPontaポイントが貯まる(一部商品) | ロボアドバイザーによるiDeCo専用無料ポートフォリオ診断があり、簡単な質問に答えるだけで最適な資産運用が可能 | 「iDeCoシミュレーター」でiDeCoを利用した場合の節税額を簡単にチェックできる |
申し込む 公式サイトへ |
申し込む 公式サイトへ |
申し込む 公式サイトへ |
申し込む 公式サイトへ |
申し込む 公式サイトへ |