盛岡駅周辺の徒歩観光をはじめとして、岩手を楽しむ5種のコースをご紹介します。地底湖や絶景に感動したり、自然に親しみながらアウトドアを楽しんだり、宮沢賢治の描いた物語の世界にふれたり、魅力あふれる岩手を満喫しましょう。
【1】「啄木新婚の家」+「岩手銀行赤レンガ館」 所要時間:約2時間
歌集『一握の砂(いちあくのすな)』などでおなじみの詩人・石川啄木(たくぼく)が、新婚時代に3週間ほど暮らした家が、盛岡駅から徒歩10分の場所に現存しています。当時の茅葺き屋根などは防火のため鉄板で覆われていますが、ほぼ当時のままの姿で見学することができます。質素につつましく暮らしていた様子を垣間見ることができます。
盛岡駅から徒歩30分、啄木新婚の家からなら20分ほどの場所に、1911(明治44)年に盛岡銀行の本店行舎として落成した建物が残されています。設計は、辰野金吾(たつの きんご)と葛西萬司(かさい まんじ)が主宰する辰野・葛西建築設計事務所によるものでした。東京駅でも知られる辰野金吾が設計した建築としては、東北地方に唯一残る建造物となっています。
【2】「龍泉洞」+「浄土ヶ浜」をめぐる絶景コース 所要時間:約7時間
本州で一番面積が広い岩手県岩泉町の宇霊羅(うれいら)山の麓にある鍾乳洞が龍泉洞です。盛岡駅から車で2時間弱と少々時間がかかりますが、岩手を訪れたらぜひともご覧いただきたい絶景です。総延長は5,000m以上で、いまだに未開の領域も残っているほど。透明度の高い地底湖はドラゴンブルーと呼ばれる幻想的な世界で、恋人との絆が深まるパワースポットとしても人気です。
三陸復興国立公園・三陸ジオパークの中心に位置する浄土ヶ浜は、宮古の代表的な景勝地。龍泉洞から海岸線に向かい、車で約1時間のスポットです。鋭くとがった白い流紋岩(りゅうもんがん)、松の緑と青い海とのコントラストはまさに一見の価値があります。
【3】「カッパ淵」+「遠野ふるさと村」をめぐる日本の原風景コース 所要時間:約5時間
澄んだ水がさらさらと流れる小川の岸は、うっそうとした茂みで覆われていて、今にもカッパが現れそうな雰囲気です。昔、小川の淵にはカッパが多く住んでいて、人々を驚かし、いたずらをしたと言い伝えられています。また、カッパ神を祀った小さな祠(ほこら)は、子供がいる女性がお乳が出るように願ををかけると叶うという言い伝えも。たくさんのカッパ伝説が残るカッパ淵まで盛岡駅から車で1時間20分ほどです。
カッパ淵から車で10分ほど山あいに入ると、遠野ふるさと村があります。江戸中期から明治中期にかけて造られた茅葺屋根の曲り家を移築し、懐かしい農村を再現した場所です。ここでは、むかし話を聞いたり、草木染や陶芸にチャレンジしたり、餅つきやヤマメのつかみ取りなど農村体験もできます。