古代ローマ時代の劇場の遺構は、ローマ皇帝トラヤヌスの時代に建設されたとされ、観客席を備えた円形劇場で、当時の文化や娯楽の中心地でした。劇場は、観客を収容するための段々席が特徴で、古代ローマの建築様式を反映しています。サイズはそれほど大きくないものの、演劇や音楽の公演に使用され、町の社交的な場でもありました。現在は遺跡として残っており、観光名所となっています。

イズニック湖とそこに沈む神殿跡

イズニック湖 神殿跡は水位が低いときに上空から観測可能

周囲の山々が美しく映るイズニック湖。湖の面積は約98平方キロメートルで、トルコで最も大きな淡水湖の一つです。湖の底には、古代の神殿の跡が沈んでいるとされています。この神殿は、イズニック周辺で信仰されていた神々に捧げられたもので、湖の水位が低下する時期にその一部が見えることがあります。神殿は4世紀頃に造られ8世紀頃に地震で崩壊したと言われており、古代の信仰や儀式の場として重要だったと考えられています。

イェシル・モスク

イズニック イェシル・モスク(イェシル・ジャーミ)

イェシル・モスク(イェシル・ジャーミ)は、オスマン朝時代の美しいモスクで、特にその独特な緑のタイルが特徴です。モスクはオスマン朝のメフメト1世の時代に建設がスタート、1392年に完成し、イズニックの重要な宗教的および文化的なランドマークとなっています。ミナレットにはセルジューク朝時代の建築の痕跡が見られます。ターコイズブルー、緑、紫のタイルで覆われたミナレットはモスクの名前(イェシル/緑)の由来にもなっています。

イズニック博物館

イズニック博物館 棺に施された装飾

イズニック博物館は、イズニックの豊かな歴史と文化を紹介する重要な施設です。1980年に設立され、古代から近代までの様々な考古学的な遺物や民俗資料が展示されています。博物館のコレクションには、古代ローマ時代やビザンチン時代の遺物、特にイズニックタイルや陶器が多く含まれています。これらのタイルは、オスマン帝国時代における美術の重要な一部であり、地域の伝統を示しています。

イズニックタイル

イズニック 町中にはタイルを含む美しい陶芸作品を販売する店が多い