ペット保険大手のアニコム損保が2018年に行ったアンケート調査で、「猫と暮らし始めて幸福度が高まったと感じるか」という質問に対し、「とても高まった」「高まった」という回答は合計で99.7%という結果になりました。猫の愛らしい姿に魅力を感じ、飼ってみたいという人も多いでしょう。実際に、猫と暮らすにはどれくらいのお金がかかるのか、探ってみました。

猫と一緒に生活するためにかかる初期費用は?

(画像提供:ermolaev-alexandr/stock.adobe.com)

自由に屋外を歩き回る気ままなイメージの強い猫ですが、現在では屋内飼育が主流となっています。環境省が2003年に行った世論調査では、猫の飼い方について「室内で飼っている」と「主に室内で飼うようにしている」の回答を合わせると76.1%になりました。この結果からもわかるように、猫との暮らしを始めるには猫を屋内で飼う環境をまずは整える必要があります。

ペットショップで一目惚れしてしまった、あるいは道端で捨て猫を保護したなど、猫との出会いは急に訪れるケースも多いものです。責任を持って猫を飼うために、最低限必要となる環境を整えるにはどれくらいのお金がかかるのか、あらかじめ知っておきましょう。

猫のワクチン接種

猫にとって命取りとなる感染症を防ぐ、混合ワクチンという予防接種があります。室内飼いの猫には、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、これらの感染症を予防する「3種ワクチン」を接種しておきましょう。予防接種にかかる費用は動物病院によって異なりますが、1回につき3,000円から5,000円ほどが目安です。そのほかに、動物病院の初診料が2,000円程度かかります。

猫との暮らしに欠かせない生活用品

(画像提供:tetsuya/stock.adobe.com)

猫との暮らしには、以下のようなものが必要になります。

  • 猫用トイレ
  • 猫砂やペットシーツ
  • 食器
  • キャットフード
  • 爪とぎ
  • おもちゃ

これらの生活用品は1万5,000円程度でそろいます。こうしたアイテムは、できることなら猫を迎え入れる前にそろえておくと安心です。猫との生活が落ち着いてきたら、通院用のキャリーバッグや首輪、キャットタワーなどを必要に応じて買い足していきましょう。

去勢・避妊手術

日本獣医師会の診療料金実態調査(2014年実施)によると、猫の去勢・避妊手術にかかる費用は、オス猫の去勢手術は1万2,652円、メス猫の避妊手術は2万986円が中央値となっています。病院によっては入院費や術前の血液検査費用などがかかることもあります。実際にどれくらいの費用がかかるのか、最寄りの動物病院のホームページなどを見てチェックしてみましょう。

猫の健康状態によっては医療費がかさむ場合もありますが、健康な猫を迎え入れる場合の初期費用はトータルで5万円以内を目安に考えておくとよさそうです。

その他にかかる費用

ペットショップなどで猫を購入する場合は、生体の購入費用がかかります。また、猫の保護団体や保護猫カフェから猫を迎え入れる場合、猫自体にかかる費用はありませんが、寄付金やワクチン代などの譲渡費用がかかるケースが多いようです。迎え入れたい猫がいる場合は、それらの費用も念頭に置いておきましょう。