3位 ブラッシャー・ドブルーン 740万ドル

米国貨幣法の制定に先駆け、銅硬貨の嘆願書をニューヨーク州に提出していた金細工師によって1787年に製造された(この時の嘆願書は却下された)。この金細工師が手掛けた硬貨にはすべて純分認証極印が刻まれているが、このブラッシャー・ドブルーンには通常の鷲の左羽の代わりに盾の刻印が入っている。2011年12月、740万で競り落とされた。

2位 ダブル・イーグル・ゴールドコイン 759万ドル

米国にて1933年に製造された20ドル硬貨。製造された44.5万枚は市場に出回る前に政府が廃棄処分にしたといういわく付き。そのうち19枚が盗み出され、9枚が金塊に加工されていたが、残りを財務省検察局が無事回収した。

2002年6月に759ドルで競り落とされたダブル・イーグル・ゴールドコインは、貴重な生き残りのうちの1枚だ。

1位 フローイング・ヘア・ダラー 1002万ドル

1794年に米国初の1ドル硬貨として発行されたフローイング・ヘア・ダラーは、2013年1月、ニューヨークで開催されたオークションにかけられた。約1002万ドルで競り落としたのは、ニュージャージー州のアンティークコイン商だった。

地道な収集で3000万ドルを手に入れたピットマン氏

以上のランキングから分かるように、希少なアンティークコインは巨額のお金で取引されている。アンティークコインはその希少さゆえに、景気に左右されにくい安定資産として人気が高い。また年月が経てば経つほど、価値が上がることも期待出来る。

しかし興味があったとしても、素人が短期間で身に付けた知識で利益を出せる分野ではない。

著名なコレクターであるジョン・ジェイ・ピットマン氏は何十年もかけて収集した自身のコレクションを1997年に競売にかけ、総額3000万ドルを手に入れた。元々裕福な人物だったのだろうと思いきや、同氏のコレクションを仲介したオークション業者は、「ピットマン氏はけっして裕福ではなかったが、(アンティークコインの)知識だけは人一倍あった」と後に語っている。

ピットマン氏は自らが持てる知識を最大限に活用し、「自分の予算の中で最も価値のあるアンティークコイン」を少しづつ買い足していたそうだ。例えば1997年に47万ドルで競り落とされた「プルーフ1833キャップド・ヘッド・ゴールド5ダラー・ハーフ・イーグル」は、ピットマン氏が1954年に635ドルで買ったものだったという。(The Spruce2017年10月7日付記事)。 

アンティークコインを買う前に、基礎をしっかり身に付ける

アンティークコイン収集家兼ディーラーのジェームズ・バッキ―氏は、コインを買う前にコインについての知識をしっかりと身に付けることを、成功するアンティークコイン投資の戦略のひとつとして挙げている。

偽物のコインも市場に出回っているため、鑑定書付きの本物のコインを見極める目を養うことも重要だ。

またアンティークコインは景気には影響を受けにくいが、需要には左右される。いくら希少なコインを所有していても、需要がなければ期待通りの利益は得られない。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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