【今週の一冊】

「ダイアナ妃ルックブック」エロイーズ・モラン著、グラフィック社、2022年

イギリスではエリザベス女王が崩御し、チャールズ国王が誕生した。新たな時代に突入したと言える。

抜群のファッションセンスとユーモア、そして二人の王子の母として知られるダイアナ妃だが、生前は様々な苦労と共にあった。夫による不貞行為、自身の過食症と拒食症など、華やかな表舞台で見せる顔の陰には、大いなる苦しみが存在した。そしてわずか36歳で交通事故死してしまう。あの出来事は世界に衝撃を与えた。

しかし、妃は芯の強さを持ち合わせた人だと私は思う。本書をめくると、その決意と信念がにじみ出ている。カラーでダイアナ妃のファッションを紹介しているのだが、どのページの洋服からも妃の思いが伝わってくる。とりわけ離婚を決意し、夫と決別した後のファッションには解放感と喜びが表れている。

世界一オシャレなプリンセスのファッション変遷史でもあり、後世の女性たちにとっても大いに参考となる一冊。読むだけで励まされる300ページ強の写真集だ。


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