
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
不動産を売却すると税金はどれくらいかかるのか
不動産を売却すると、売却した翌年に所得税と住民税がかかります。所有期間5年を境に税率が変わりますが、実家のように長年所有している不動産であれば、所得税が復興特別所得税まで含めて15.315%、住民税が5%で合計20.315%です。
ただし、売却した価格そのものが、課税対象になるわけではありません。課税されるのは「譲渡所得」と呼ばれる、不動産を売却して得られた利益部分です。
譲渡所得は、売却した不動産を当初購入したときの費用である「取得費」や、今回の売却に伴い、不動産会社に支払った仲介手数料などの「譲渡費用」を差し引いて計算します。
さらに、譲渡所得には数多くの「特別控除」があり、一定の要件を満たせば、特別控除ごとに定められた額を控除できます。そのため、課税対象額は「売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」となり、これに税率を掛け合わせて税額を計算します。
親が3000万円で実家を売却した場合の税金は?
それでは、今回のように、親が実家を3000万円で売却した場合の税金はどうなるでしょう。結論から言えば、今回の売却では所得税も住民税も課税されません。
自分が住んでいた家の売却には、「マイホームを売ったときの特例」による特別控除があり、その控除額の上限は3000万円です。親にしてみれば、実家は居住用のマイホームにほかなりませんので、夫婦や親子への売却でない限り、譲渡所得があったとしても、3000万円までは差し引けることになります。
つまり、売却代金が3000万円であれば、取得費や譲渡費用がいくらかにかかわらず、課税される譲渡所得はなくなるため、今回の売却に所得税や住民税はかかりません。