【おりものに血が混じる原因④】絨毛膜下血腫

妊娠が原因で起きる出血には、絨毛膜下血腫もあります。

こちらも妊娠初期に起こりやすい出血になります。

同じ妊娠初期の出血でも、着床出血とは違い、安静にすることを勧められますが、心配がなくなるまで安静にしていれば、良くなることが多く、妊娠初期の出血でも、流産や早産の危険はそれほど高くない出血なります。

絨毛というのは、妊娠初期に受精卵が着床してから、お母さんの体から栄養をもらうために、子宮内膜におろす根っこのことになります。

この絨毛が張り巡らされて膜状になったものが絨毛膜と言い、胎盤が完成するまでは、赤ちゃんが育つための重要な生命線となります。

絨毛膜下血腫というのは、この絨毛膜と、子宮の内膜から脱落した脱落膜との間に出血が起きてしまうこといます。

妊娠初期でも安静にすることで、良くなることが多いのですが、出血の量や状態によっては即入院を勧められることもあります。

【おりものに血が混じる原因⑤】切迫流産

妊娠が原因で起きる出血には、切迫流産があります。

切迫流産というのは、妊娠初期から妊娠22週未満までに、流産しかけてしまう状態を言います。

完全に流産してお腹の赤ちゃんの命が失われたわけではなく、お腹の赤ちゃんはまだ生きているのですが、いつ流産してもおかしくはない状態で、とても危険な状態になります。

切迫流産の兆候としては、妊娠初期に少量の不正出血と軽い下腹部痛が起こることが多いと言われています。

ただし、妊娠初期には、不正出血も軽い下腹部痛も何も異常がなくても起こりやすいものなので、そういったものだと勘違いをして放置していたために、流産という悲しい結果になってしまう人もいます。

妊娠初期に何らかの出血が合った場合には、とりあえずまずはお医者さんに診断してもらうことが大切です。

切迫流産の治療法はありません。唯一といっても良い対処法は、安静にすることです。

お腹の中の赤ちゃんを守るためにも、唯一の対処法である安静をしっかりと守ることが大切です。

【おりものに血が混じる原因⑥】子宮外妊娠

妊娠が原因で起きる出血には、子宮外妊娠があります。

子宮外妊娠というのは、何らかの原因で受精卵が子宮以外の場所に着床してしまうことです。

卵巣と子宮をつなぐ 卵管で起こることが多いのですが、まれに腹膜や卵巣、子宮頸管でも起こることがあります。

妊娠初期の妊娠6週目ぐらいから出血し始めて、徐々に下腹部痛と出血の量が増えてきます。

ほとんどの場合は、妊娠8週目までに流産になってしまうことが多いのですが、卵管破裂などを引き起こしてしまうこともあります。

卵管破裂が起きてしまうと、大量の出血により、ショック状態に陥り、最悪の場合には命の危険もあるので注意が必要です。

思春期や更年期に見られるホルモンの乱れによる不正出血

おりものに血が混じる状態には、思春期や更年期によく見られるホルモンバランスの乱れにより引き起こされる不正出血もあります。

ホルモンバランスが特に乱れやすいのは、生理が始まったばかりの思春期の頃や、閉経する直前の更年期の頃に多いものです。

生理など、女性に特有の現象をつかさどるホルモンというのは、脳下垂体や卵巣などが関係していると言われていますが、ホルモンバランスの乱れによって不正出血が引き起こされる時には、脳下垂体や卵巣の働きが混乱したり、低下したりすることが考えられます。

特に、生理が始まったばかりの思春期や、もうすぐ生理が終わってしまう更年期には脳下垂体や卵巣の働きも乱れるために、不正出血が起こりやすくなると考えられます。

それでは思春期や更年期に見られるホルモンバランスの乱れによって引き起こされる不正出血にはどのようなものがあるのか、更年期などに見られるホルモンバランスの変化による出血についてここからみていきましょう。