千葉県の神崎町(こうざきまち)は、発酵の里として広く知られています。そして、町を代表する酒蔵に「寺田本家」があります。寺田本家は、創業江戸初期と長い歴史を持っており、自然に寄り添った方法でお酒造りを行っています。この記事では、寺田本家の現地の様子、買いたい商品、隣接するカフェの様子とお食事をご紹介しています。
寺田本家とは
神崎町にある酒蔵
寺田本家は、千葉と茨城の県境に位置する「香取郡神崎町(こうざきまち)」にあります。創業は江戸時代初期(1673~81年)と、かなりの老舗です。
2020年現在24代目です。寺田本家は、無添加かつ自然に寄り添った酒造りをすることで有名ですが、これは先代が「腸が腐る病気」にかかったことがきっかけだったそうです。本当にいい酒や食とは何か真剣に向き合い、現在の寺田本家の商品が生まれていったのだとか。
酒造りのこだわり
原料となるお米は、10軒程度の農家さんとの契約栽培による無農薬自然米にて全てをまかなっています。寺田本家自身の田んぼでも、在来種のお米作りに励んでいるそうです。
仕込みの水には、酒蔵のすぐ裏手にそびえる神崎神社の森から湧き出る井戸水を使用しています。神崎神社は山深く、厳かな雰囲気がただよう神聖なスポットです。神崎町のシンボルとして有名な「なんじゃもんじゃの木(クスノキ)」が植わっています。
寺田本家の様子
入口・酒蔵
2020年現在、コロナウイルス感染症予防のため酒蔵の見学は受付けていません。再開の見通しはたっていないようですが、SNSで情報発信をされていますので、今後変更点が発表されるかもしれません。
とは言え、酒蔵の入口を越えて少し先までは入ることができて、雰囲気を感じることは出来ます。レンガ造りの外壁は歴史を感じます。酒蔵によくある煙突も特徴的です(現在は使われていません)。
蔵は遠くから眺めただけでも重厚感のある壁でした。300年以上の歴史を思わずにはいられない、そんなスポットです。
ショップ
酒蔵の入口にはショップが併設されています。こちらは誰でも出入自由なので、お目当てのお酒がある方は立ち寄ってみましょう。道を挟んだ向かい側に、駐車場も用意されています。
店内には、寺田本家の日本酒や雑貨がずらっと並んでいます。常温のお酒、冷えているお酒、贈答用、と幅広く取扱っています。なかには、甘酒のようなノンアルコールドリンク、麹、酒粕などもあります。
寺田本家の酒粕を使用して作られたクッキー、焼き菓子、奈良漬け、粕漬なども購入可能です。雑貨ではトートバック、前掛け、手ぬぐい、などの取扱いがありました。特にトートバックは最近できたばかりのグッズだそうです。
寺田本家で買いたい日本酒
以下から寺田本家で買いたいおすすめの商品をご紹介していきます!
五人娘
寺田本家の原点となる純米自然酒。神崎神社の湧き水を使い、蔵に住む菌たちの働きから生まれるお酒は、一度は必ず飲みたい定番商品です。精米歩合によって瓶の色やパッケージが変わりますので、表示を確認してみて下さい。
種類はざっくりと5種類(純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、純米生酒、純米吟醸生酒)あります。筆者のおすすめは「純米生酒」です。程よいクセも残りつつ、香り高いフルーティなお酒です。
香取
酒造りに使うお米をほとんど精米しないで造られた純米自然酒です。お米をほとんど精米していないので、最初はクセがあるかな、酸味が強いかな、と感じることもあります。ですが、この味こそが「香取」の魅力です。
むすひ
大変珍しい発芽玄米酒です。しゅわしゅわと発泡しています。瓶詰めされた中でも、酵母や乳酸菌が生きていて、これらは特に健康効果が大きいとされています。ただ、初めてだと味にびっくりしてしまうかもしれません。筆者も驚きました。とにかく酸味が強く、甘みがありません。慣れてくると病み付きになります。
醍醐のしずく
恐らく女性に人気のある日本酒です。寺田本家のなかで、筆者が一番好きなお酒です。甘さと香りが強く、ジュース感覚で頂けます。しゅわっと優しく発泡していますので、喉ごしもアクセントがあって美味です。ただ、時間が経つと味が変わってしまうので、早めに飲み切るのが美味しく飲むコツです。
うふふのモト
こちらはノンアルコール商品です。お味は甘酒をイメージして頂ければいいと思います。トロッとした飲み心地で、甘すぎない自然なドリンクです。伝統のお酒造りの技術の中から生まれた100%植物性乳酸発酵飲料です。白米と発芽玄米の2種類ありますが、筆者のおすすめは発芽玄米です。酸っぱくて珍しさが際立ちます。