マイクロチップの装着(挿入)
犬の個体識別のためや迷子対応のために、マイクロチップの装着(挿入)が推奨されています。マイクロチップは、直径およそ1~2mm、長さおよそ8〜12㎜の円筒状の形をしています。注射針よりも少し太い挿入機器を使って、犬の頸部皮下に挿入し、専用リーダーによって、飼い主情報を読み取ります。
2019年6月に改正された動物愛護法に基づき、ペットショップやブリーダーから迎え入れる犬には2021年6月からマイクロチップの装着が義務付けられています。
そして既に、マイクロチップを装着しているペットショップやブリーダーもあります。マイクロチップが装着されていない場合には、動物病院に相談して、装着後必ずデータ登録をしてください。データ登録することで、災害時や迷子になった時の所在確認を容易にします。また、動物病院によっては、不妊・去勢手術を受ける際に装着を勧められることもあります。
【必要な費用】
装着費用:5,000円前後 ※自治体によっては助成金制度あり。
登録料:1,050円
フィラリア症の検査と予防薬の投与
犬フィラリア症とは、犬糸状虫と呼ばれる寄生虫の感染子虫が、蚊の媒介によって体内に入り、体内を移動しながら成長を続け、成虫となって心臓や肺動脈に寄生することで引き起こされる疾患です。 循環不全や呼吸不全に伴う息切れや咳、腹水や胸水の貯留など、犬の体にさまざまな障害を引き起こします。 最悪の場合、死に至る可能性も……。
しかし、犬フィラリア症は、予防薬を投与することで、確実に感染を防ぐことができます。予防薬を投与する前には、必ず感染の有無を調べるための検査を受けましょう。そして、予防には内服薬が広く使われています。蚊が活発に活動する4月または5〜12月の間、月に1回飲ませる必要があります。内服薬には錠剤や粉薬の他におやつのような風味をつけたチュアブル錠などもあります。一年に一度の皮下注射による予防も可能ですが、あまり普及していません。このほかにも、皮膚に滴下するタイプもあります。また、内服薬や滴下タイプの薬にも、ノミやダニなどの外部寄生虫や他の内部寄生虫の予防を兼ねたものもあります。獣医師や動物看護師のアドバイスを受け、犬の性格に合わせてストレスのかかりにくい方法を選びましょう。
【必要な費用】
小型犬の場合、年間5,000〜10,000円
※犬の体重によって必要な薬の量が異なります。
ノミとダニなど外部寄生虫の予防
ノミやダニなど外部寄生虫対策として、ホームセンターやペットショップなどで、防虫スプレーやノミ除けの首輪やシャンプーなど、さまざまな商品が販売されていますが、動物病院で相談の上、予防するようにしましょう。ノミやダニの寄生は、意外と厄介です。効能に加え、安全基準などが設けられている適切な動物用医薬品を使って予防することをおすすめします。山や川での遊びを好む犬はもちろん、公園での散歩やドッグランの利用など、他の犬との接触が多い場合には、ノミやダニに感染する可能性も高くなります。また、完全室内飼育といっても感染する可能性はあります。ノミやダニは病気を媒介する可能性もあり、予防薬でしっかりと守ってあげましょう。
ノミやダニの予防には、主に皮膚に滴下するタイプの薬と内服薬がよく使われています。予防薬の投与は月に一度です。前述したように、ノミとダニの予防に加え、フィラリア予防を兼ねた薬もあります。
【必要な費用】
8,000〜12,000円
※犬の体重や予防薬のタイプによって異なります。
まとめ
毎年必要なことは次の通りです。
狂犬病予防注射は、法律により年に一度(4月1日から6月30日の期間)の接種が義務付けられているため、犬の健康に異常がない限り、必ず受けましょう。
健康診断は義務ではありませんが、犬の健康を維持するため、そして、病気や異常を早期に発見して対応するためにもとても重要です。少なくても年に一度、高齢になれば年に2~3度ぐらいは、健康診断に連れて行くことをおすすめします。
また、フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫の予防も毎年続けてあげることが大切です。
各種感染症の混合ワクチンも義務ではありませんが、多くの感染症は発病すると重症化し、命に関わる病気です。かかりつけの動物病院で適切な間隔(1~3年毎)で接種することをおすすめします。
病気やケガをした時にだけ動物病院を利用するのではなく、健診や病気の予防を徹底することで、犬との暮らしをより楽しいものにできると思います。人と犬との心身の健康維持を大切にしましょう!
提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)
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