群馬県の東部に位置する桐生市は、もともと養蚕がさかんで、かつてより絹織物の町として発展してきました。そんな桐生市には明治から昭和初期に建てられた織物工場など、歴史的建造物が多く現存し、町の一部が2012年に重要伝統的建造物群保存地区に選定。ぶらりと町歩きがしたくなる桐生市で見ておきたい、レトロな建物をご紹介します。
1. 群馬大学工学部同窓記念会館
淡いグリーンが美しいこの建物は、大正5年(1916年)に桐生高等染織学校の講堂として建てられたもので、この当時としては珍しいゴシックスタイル。平成10年(1998年)には国の登録有形文化財に指定されました。NHKの連続テレビ小説「花子とアン」のロケ地としても使用。大学の敷地内にあるため、見学の際は入口の守衛室で一言声をかけてから、見学してくださいね。
2. 有鄰館 旧矢野蔵群
桐生の重要伝統的建造物群保存地区内にある「有鄰館」は、現在イベントスペースとして利用されており、多くの観光客が訪れる、桐生の人気観光スポットのひとつ。かつて酒や味噌、醤油を醸造していた蔵群で、敷地内にある合計11棟の蔵のうち、ビール蔵をのぞいた建物が、桐生市の重要文化財に指定。なかでも煉瓦蔵は、桐生市で最も大きい煉瓦造建物です。
3. 桐生織物記念館
昭和9年(1934年)に桐生織物同業組合事務所として建てられたもので、桐生の織物業の隆盛をいまに伝える建物として、平成9年(1997年)に国の登録有形文化財に指定されました。青緑色の屋根に、当時流行していたスクラッチタイル張りの建物。現在は桐生織物の販売や、資料を展示する施設として利用されています。
4. 無鄰館
無鄰館は天保年間に創業した旧北川織物の工場で、大正5〜10年(1916〜1921年)にかけて建てられたノコギリ屋根工場、事務所、蔵などからなる建物群です。大きなのれんが目印。現在はさまざまなジャンルのアーティストがアトリエとして利用しています。そのため、見学の際は利用者に配慮してご見学ください。