熊本県阿蘇山の南側に位置する高森町には、様々な豊かな文化が今に伝わります。中でも、高森田楽は250年の歴史を持つといわれる高森町の郷土料理です。今回は、築200年の古民家がある「高森田楽の里」でいただく高森田楽と、高森町の癒しスポットをご紹介します。

南阿蘇の奥座敷、高森町

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=PIXTA トリップノートより引用)

広大なカルデラ火山として知られる阿蘇山は、火の国熊本のシンボル的な存在として広く知れ渡っています。その阿蘇山の南側に接する高森町は、風光明媚な自然と豊かな文化が織りなす町として、南阿蘇の奥座敷といわれています。

春は高森峠の千本桜の開花や酒蔵の蔵開き、夏は根子岳の山開きに、300年の歴史を持つ「風鎮祭」、そして秋には根子岳の紅葉、冬は高森湧水トンネルで行われる「クリスマスファンタジー」など、1年を通じて、新旧の豊かな文化を楽しむことができます。

高森田楽とは

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)

串に刺した豆腐に味噌をつけた素朴な料理の田楽は、室町時代から続く庶民の味です。高森町における田楽の発祥はおよそ250年前、全国を行脚して、田楽を知った村人がもたらしたといわれています。

従来の田楽が豆腐であるのに対し、高森町のそれは地元特産の里芋を用いられています。高森田楽は、農家の囲炉裏端の食物として、または作物収穫時のねぎらいの料理として伝えられてきました。

高森特産の里芋「つるの子芋」

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)

高森田楽に用いられる里芋は「つるの子芋」と呼ばれる里芋です。芋の先端が鶴の首のような独特の形をしていることから、その名前が付いたといわれています。この芋は火山灰土壌の痩せた土地でしかつくることができません。肉質は硬く、粘り気があり、煮くずれしにくいといわれています。

近年、生産農家の減少で、「つるの子芋」の収穫が減少しているようです。このため、2019年5月時点で「つるの子芋」を用いた高森田楽は10月半ばから数か月間だけの季節限定の提供になっています。

築200年の古民家が雰囲気抜群「高森田楽の里」

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)

高森田楽を提供するお店は町内にいくつかありますが、その中でも雰囲気のよさでおすすめのお店が「高森田楽の里」です。母屋は築200年ともいわれる古民家を改装した広い建物。茅葺屋根に、漆喰の壁、高い天井、そして囲炉裏。どことなく懐かしい日本人の原風景を見ることができます。

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)

また、隣接するお土産処「けやき屋」の建物は、明治時代の家屋を移築したものです。この古い建物は阿蘇出身の小結、初代佐田の海の生家ともいわれています。囲炉裏端でいただく高森田楽は、雰囲気抜群です。

ヤマメや鶏肉、そして肥後の赤牛なども

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)

高森田楽は芋田楽ですが、「高森田楽の里」には、ヤマメやこんにゃく、豆腐、沢ガニなどが加えられたバラエティ豊かなセットメニューが用意されています。田楽の他、小麦粉で作った団子と季節の野菜、肉などを加え、醤油または味噌で味をつけた、だご汁、五穀米を炊いた、きびめしが付いた「田楽定食(1,980円)」はボリュームたっぷり。

または地鶏を炭火で焼いていただく「炭火鶏焼定食(1,980円)」や地元の牧場で放牧されて育った肥後の赤牛を加えた「あか牛の耕焼定食(3,190円)」など、セットメニューも豊富です。阿蘇の雄大な自然に素朴な人情、先人達が残した生活の知恵を感じながら、じっくり味わうのが、高森田楽の醍醐味です。※セット料金は税込み価格。

「高森田楽の里」の古民家で愉しむ阿蘇の郷土料理と癒しスポット
(画像=熊猫 トリップノートより引用)