ウェットスーツの選び方
仮に裸で海に入れるような季節であっても、レンタルのウェットスーツを借りる場合でも、ラッシュガードは「擦れ防止」になるので自分用のものを用意しましょう。
最初にウェットスーツを購入するなら、後ほど説明をする「3㎜フル」を。ちなみにウェットスーツを着ている部分は「水と触れない」と思っている人も多いですが、それは誤解。ウェットスーツとは名前からもわかる通り「水で濡らして使うスーツ」で、体とスーツの隙間に水を入れ、その水を体温で暖めてお湯のようにし、それが肌に当たることによって保温します。セミドライやドライスーツと異なり、生地だけで保温しているわけではありません。
夏(ラッシュガード、タッパー、ショートジョン)
水温も気温も高い夏場(湘南なら7、8月ぐらい)なら、もっとも身軽な装備である「水着+ラッシュガード」でサーフィンをできます。
「水温は気温よりも2カ月遅れて上下する」と言われているので、少しだけ肌寒さを感じる時期は「水着+タッパー(上半身のみ/半袖もしくは長袖)」という選択肢もありましすし、「ベスト(上半身のみ/ノースリーブ)」というものもあります。
千葉や茨城など「気温は高いが水温が低い」という海でしたら、「ショートジョン(ノースリーブ/ヒザ上丈)」がいいかもしれません。
春、秋(スプリング、シーガル、3㎜フル)
気温が上がってきているものの、まだまだ水の冷たい春といえば、名前の通り「スプリング(半袖/ヒザ上丈)」が代表的なウェットスーツとなります。活躍してくれるのは、夏になる少し前ぐらい。関東ならば梅雨ぐらいの時期です。
スプリングより少し前の時期に最適なのは「シーガル(上半身半袖/下半身くるぶし丈)」です。外気は比較的暖かいが、水温がまだ低い時に着用します。
逆に「水は温かいけど、上半身が寒い」という場合や、「日焼けが気になる」というサーファーには「ロンスプ(ロングスプリングの略、長袖/ヒザ上丈)」が人気です。
「3㎜フル」は、薄手のフルスーツ。頭と手先、足先以外のすべてを覆ってくれるので、体を冷やさない役割を果たしてくれるのはもちろん、外部からの衝撃や接触から体を守ってくれるという効果もあります。ジャージ素材でできているものが多く、動きやすさと温かさを兼ね備えたバランスのいいウェットスーツなので、一年を通じて最も活躍してくれます。
秋~冬(セミドライ、ドライスーツ)
3㎜フルでも耐えられないぐらい寒くなってもご安心を。上には上がいます。
肩回りなどの関節部分は3㎜のジャージ素材でつくりつつ、ボディなど動きのほとんどないところは5㎜のゴムで保温性を高めた「3㎜×5㎜」の組み合わせで、ジップ部分や首周りのつくりで水の侵入を防ぐ仕様になっているのが「セミドライ(スーツ)」です。スーツ内に水を入れて保温するわけではないので、起毛裏地など保温性の高い仕様になっているのも特徴です。
ちなみに「ドライスーツ」とは、ウェット内部にほとんど水が浸入しない防水スーツで、ブーツと一体式のワンピース型。関東以南の海であれば、真冬でもセミドライまでで十分です。
以上のものを動きやすさ順に並べると、「ラッシュガード>ショートジョン>タッパー>スプリング>シーガル>3㎜フル>セミドライ>ドライスーツ」になり、温かさ順に並べるとちょうどその真逆になります。「動きやすさ」と「温かさ」のバランスなので、どちらを優先するかは、好みの問題となりますが、冷えると運動機能が低下するので、なるべく「温かさ」を優先しましょう。
またこれからサーフィンをはじめる人で、「真冬を除く3シーズンは海に入る!」という意気込みなら、最初に購入すべきはラッシュガードと3㎜フルです。3㎜フルを着ていて「暑い」と感じたら、背中のZIPを開けて海水を入れれば、体を冷やすこともできます。