結婚や出産などでライフステージが変化すると、パートなどで働く主婦の中には夫の社会保険の扶養に入ったほうがいいのか考える人もいるかもしれません。しかし、社会保険制度は複雑な構造になっており、結局どうしたらいいのか判断が難しいものです。
今回はパートで働く主婦は社会保険の扶養に入ったほうがいいのかどうか、メリット・デメリットに分けて簡単に解説します。自分が扶養に入ったほうがいいのかどうか、判断がつかない方はぜひ参考にしてください。
扶養に入るとどうなるの?
夫の扶養に入るとどうなるのか、まずはメリットとデメリットに分けて考えてみましょう。
扶養に入るメリット
扶養に入る大きなメリットは世帯の支出が減ることです。妻が夫の扶養に入ることで妻の社会保険料が免除になります。
通常は誰もが健康保険料や年金保険料を支払う義務がありますが、扶養される人はこれらの保険料が免除されることで、保険料を支払わなくとも夫が加入している社会保険から給付が受けられます。
扶養に入るデメリット
扶養に入るデメリットは妻が自由に働けなくなることです。扶養に入るには妻の年収を130万円未満に抑える必要があります。本当はもっと働ける場合でも、あえて勤務時間を減らすなどして調整しないといけません。
また、老後に受け取れる年金が少ない点もデメリットです。扶養に入る妻が受け取れる年金は「国民年金」のみで、最大でも年間約78万円程度しかありません。扶養に入らない場合、例えば会社員なら、「厚生年金」に加入することで上乗せがあるので老後の年金が増えますが、そのためには社会保険料の負担が発生します。
また、今後出産の可能性がある人は、扶養に入ることで出産手当金の支給対象外になってしまうことも要チェックです。
扶養に入るか考えるポイント
扶養のメリット・デメリットを踏まえたうえで、扶養に入るかどうかをどのように判断すればいいのでしょうか。考えるポイントをお伝えします。
フルタイムで働くかどうか
扶養に入らなければ自由に働けるようになり、妻の収入増が見込めますが、社会保険料の負担義務が出てきます。また、老後に受け取れる年金の上乗せ額は年収に比例します。
これらを考えると、妻が扶養から外れるのであれば、相応の収入が増えることが重要だといえるでしょう。妻の年収が130万円を多少超える程度だと、社会保険料の負担分手取りが減ってしまいます。
老後の年金を増額させるためには厚生年金に加入する必要があり、多くの事業所では正社員でないと加入できません。パートでも大企業で働くなら約106万円程度の年収があれば加入できますが、この程度だと上乗せ額はそう多くありません。
妻がフルタイムで働くなら、扶養から外れるメリットをより強く感じることができるでしょう。