太陽の塔はいいですよね。たぶん子どものころに一度見ていると思うけど、その記憶はほとんどなくて、大人になって初めて見たのはノーランの『ダンケルク』(17)の上映を見に行ったときでした。オリジナルサイズのIMAXで見られるのが日本で唯一エキスポシティの109シネマしかなくて、ふざけ半分で1人で行ったんですよ、東京から飛行機で。日帰りで。

 結局、映画のほかには万博公園しか行かなかったけど、太陽の塔がホントにカッコよくてね。思わずキーホルダー買っちゃったもん。IMAXのほうは、東京の普通の劇場で見たやつとの違いは正直あんまりよくわかりませんでした。大迫力ではあったけどね。

 でもまぁ、「『ダンケルク』見るためだけに万博公園行ったなぁ」なんつって、こうしてたまに鑑賞者としてのしょーもない自己顕示欲を満たせるわけですから、数万円使った価値はあったんだろうなと思います。

 さて、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』ですが、今日もトンチキなお話でしたねえ。どうします? 振り返ります? 第103回、やっときましょうか。

これは「詐欺に遭った」でいいんだよな

 たぶん詐欺じゃないんだろうな、何しろ大鶴義丹だし、コマツバラって役名もセリフで言ってるし。こっからいい話に持ってくのも難儀だと思うけど、まあいいや。

「父親である永吉(松平健)が金を使い込んだから大学に行けなかった」ことか、もしくは「父親が大学に行く金を何に使ったのか言わない」ことか、そのどちらかに積年の恨みを募らせていた結パパこと聖人さん(北村有起哉)。こんなときはだいたい主人公の結さん(橋本環奈)が解決するのが世の常ですので、今回も結さんがママ(麻生久美子)に「私に任せて」と言い、永吉さんの妻であるばあば(宮崎美子)を籠絡してその秘密をつかみました。

 秘密の中身以前に、なんだこの段取りは、と思っちゃうんですよ。ドラマにおける秘密の暴露って、いわゆる感情の臨界点じゃないですか。40年以上秘密にしていたことが暴かれるわけです。40年分の思いを破壊するだけのパワー、説得力というものがほしくなるわけです。