NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の昨日の家族会議のシーン、このレビューでは主に2つのことを書きました。
ひとつは愛子(麻生久美子)の長セリフは内容がまったくないけど、特に「自由」というワードが唐突に差し込まれて気持ちが悪かった。
もうひとつは、翔也(佐野勇斗)が完全に無視されてたけど、この人は家族ではないということなのかな? ということでした。
いつもの統括さんのコメント記事がYahoo!ニュースに出ていて、図らずも答え合わせができたので紹介しておきますね。20日8時15分配信『「糸島に帰りたい」圧巻、愛子の宣言シーン 麻生久美子オールアップの瞬間、橋本環奈は…【おむすび】』という記事です。
まず「自由」について。これは制作統括の真鍋斎氏の意向で挿入されたんだそうです。以下、記事からの引用。
「これは僕が是非とも入れたかった台詞で、根本さんにお願いしました。自由が暴走し、肥大化している現代社会において『本当の自由』というのは責任が伴い、返り討ちに会う覚悟すら必要なのだということを、ぜひとも言いたいと思いました」
愛子、急にドラマと関係ないこと言いだしたなと思ったら、統括さんが愛子に急にドラマと関係ないことを言わせた、という話でした。「ぜひとも言いたいと思いました」って、それはあなたのブログとかで言ったらいいんじゃないでしょうかね。
朝ドラの制作を統括するという立場を得た人が、自分の言いたいことを劇中に差し込める「自由」を手に入れた。だから、物語に関係なく脚本家に「お願い」して挿入した。
自由が暴走して肥大化しているよ。この強引なセリフの捻じ曲げが局Pと雇われライターという権力勾配によるものなのか、あるいは単なる内輪のナァナァな慣れ合いなのかは知りませんけど、いちおう電波というのは公共物であって、NHKは公共放送であるわけですから、そこで放送される朝ドラを私物化するのは遠慮していただきたいところです。タランティーノや向田邦子が相手でも同じことが言えるのか? という話。