昨今の芸能界では、フリーアナウンサーの競争が激化している。NHK出身者はブランド力によって一定の需要があるが、飽和状態となっている民放出身者は苦戦傾向に。とりわけ、フリーの男性アナは厳しい状況が目立っている。そんななか、民放出身の男性アナで圧倒的な成功を収めているのが元日本テレビの羽鳥慎一アナだ。

 羽鳥アナは2011年3月に日本テレビを退社し、テレビ朝日の「朝の顔」に転身。総合司会を務めるテレビ朝日系の朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』は、2024年の年間平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が個人全体で5.5%、世帯で9.9%を記録し、NHKを含む同時間帯で5年連続のトップ、民放の中では8年連続での1位となった。

 視聴者からの好感度も高く、オリコンの「好きな男性アナウンサーランキング」では常に上位に入り、昨年は通算8度目となる首位を獲得している。報道での安定感はもちろん、日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』などのバラエティではお茶目な一面を見せており、この硬軟のバランスの絶妙さが他のフリーアナとは一線を画している。

羽鳥アナは猛獣使い?

 なぜ羽鳥アナはここまで高い支持を得ているのか。そして、なぜ『羽鳥慎一モーニングショー』は朝の番組の中で圧倒的に強いのか。在京テレビ局の関係者はこう解説する。

「『モーニングショー』の強さの秘密は、ひと言でいうなら羽鳥さんの“猛獣使いぶり”にあります。ズバリ、レギュラーコメンテーターの玉川徹さんとのコンビが成功の要因でしょう。それぞれの役割を見事に生放送で発揮している。あのコンビのやり取り、世間の視聴者もそうですが、業界にもファンがたくさんいます。“猛獣使いぶり”という意味では、金曜コメンテーターを務める長嶋一茂さんに対してもそうですね。とにかくクセ強めの人の扱いがうまく、持ち味をいい方向に生かすことができる。