映画学校時代に学んだ編集の大切さ

──毎熊さんは高校卒業後、映画学校に進まれたそうですが、どういうことを学んでいたのでしょうか。

毎熊 小さい頃から映画の道に進もうと考えていて、1年生のときは撮影照明専攻で、2年生のときに監督専攻に変更しました。

──そのときに学んだことで、特に今に活きていることは?

毎熊 編集ですね。たとえば10シーンに分けられた素材があって、それを使って、いろんな編集をしてみる授業が印象に残っています。同じ映像素材なんですが、フルサイズから、ここに寄ったら、こういうふうに見えるとか、編集一つで見え方がこうまで変わるのかと学んだのは、演技にどれだけ活きているかは分からないですが、無関係ではないかなと思います。特に今回の映画『初級演技レッスン』の串田壮史監督は、こういうシーンで、こういったシーンの繋がりになりますと、どういう編集になるのかを説明してくれるので、イメージがつきやすいです。

──撮影の時点で編集についてまで説明してくれるんですか。

毎熊 撮影しながら串田監督の頭の中で何となくの繋ぎができているんですよね。撮影期間が10日とタイトなスケジュールというのもありましたが、ほとんど余分なシーンを撮らないので、そこまで編集で迷うということはなかったんじゃないかと思いました。僕が映画学校で学んだのは、それとは正反対でしたが。

──正反対というと?

毎熊 僕が通っていた映画学校は、どちらかというとハリウッドスタイルを売りにしていて、とにかく素材の数が多いんですよね。それで編集に時間をかけるという。それはそれの良さもありますが、日本のスタイルは別というか。フィルムの時代は予算的に、そこまで無駄なカットを撮れないから、役者もスタッフも緊張感がある。撮影の時点で緻密に計算しておかないとできないんですよね。串田監督のカット割りは本当に緻密でした。