違法性の認識については、吉本所属のロザン・菅広文が「(タレント向けの)コンプライアンス研修でオンラインカジノの問題もちゃんと啓発している。違法性の認識がなかったというのは通用せえへん」と一喝。実際のところは今後の調査などに任せるしかないが、違法性の認識の有無は大きな焦点になりそうだ。

吉本のコンプラ研修に「意味なし」の声も

 吉本興業では、2019年に発覚した「闇営業」問題以降、芸人を対象にしたコンプライアンス研修を実施。多忙な芸人にはオンラインで受講させるなどコンプラ教育を徹底していたはずだったが、今回の騒動を受けて「研修は無意味」といった厳しい声が飛び交っている。

 この状況について、前出のテレビ局関係者はこのように指摘する。

「吉本がコンプライアンス研修を徹底しているといっても、それに反する者はどうしても出てくる。これはお笑いという仕事の性質上、飲む打つ買うといった遊びが芸の肥やしになるという古くからの風潮が少なからずあるため、ノリなどでやってしまう者がいるからです。もちろん、それはまったく違法行為の言い訳にはなりませんが、まだまだそのような文化は残っているということでしょう。

 ただ、いまや吉本のタレントさんはお笑いだけではなく、大阪・関西万博のPRなどに代表されるように、国や地方自治体、学校などの公共性の高い分野にも広く関わっている。そういった仕事があることを考えると『芸の肥やし』では済ませられないですから、最悪の場合、解雇となるケースが出てくることもあり得る。吉本興業が今後どう采配を振るうのかに注目しています」

(文=佐藤勇馬)