コンプライアンス的に仕方ないように思えるが、その一方で芸人たちの「出演見合わせドミノ」については疑問の声もある。

 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は、17日に出演したフジテレビ系『めざまし8』で「オンラインカジノは今の日本では違法」と強調した上で、「ただ高比良さんの件については、仕事をやめさせるとか、降板させるとか、CMがなくなるっていうのは、やり過ぎだと思いますよ」と指摘。すでに反省や謝罪の意思を示している高比良に対し、大々的な報道で仕事を失わせるのは「いじめや誹謗中傷に近いライン」との持論を展開した。

 これに限らず、ネット上でも「ちゃんと謝罪したんだから寄ってたかって責めるべきではない」「高比良の場合は本人の説明が事実ならもう時効のはず」「パチンコ換金は黙認でオンラインカジノは厳しく取り締まるって警察のダブスタでは」といった同情的な声があるのは事実だ。

仕事を失うのは「やむなし」なのか

 仕事を失うのもやむなしなのか、それとも行き過ぎた対応なのか。在京テレビ局の関係者は、業界内での受け止め方についてこう証言する。

「仕事を失うのもやむなしかどうかは、それぞれの事情によって異なってくるのかなと思います。最悪なのは『違法だと知りながら問題になるまでやり続けていた』『借金などで周りにも迷惑をかけている』『仕事にも支障が出ている』『事務所等に事実を隠す』といったケースで、そこまでくるとすべてを失ってもやむなしでしょう。

 ただ合法と誤認しかねないオンラインカジノの広告などにも問題がありますから、違法性に気づかずに過去にやってしまったが、今ではまったく関わっていないといった程度であれば、業界的にも世間的にも同情の余地はある。しかし、最終的には事務所の判断になります。吉本興業は闇営業問題以降、コンプライアンス研修をかなり徹底して実施していました。そのため、今回の騒動に対しても厳しく対応しているのだと思われます」