この結果について、映画ライターのヒナタカ氏は、以下のように分析する。
「比較対象として興味深いのは、同じく坂元氏のオリジナル脚本によるラブストーリー映画『花束みたいな恋をした』(以下、『はな恋』)です。同作は21年1月のコロナ禍での公開にもかかわらず、公開初日3日間の興行収入は2億6,000万円、累計で38億1,000万円という大記録を達成しました。その『はな恋』同様の興収で発進し、同等かそれ以上に主演2人の演技などに絶賛の声が寄せられている『ファーストキス』は、レビューサイト『映画.com』で4.1点、『Filmarks』で4.2点など、『はな恋』を超えるスコアを記録している(2月12日現在)ことからも、大ヒットが期待できるでしょう」
一方で、懸念点もあるようだ。
「現在、赤楚衛二主演の『366日』(1月10日公開)が若者の間で大評判となり、右肩上がりに動員を伸ばして4週目にして1位、5週目でも3位につけています。また、2月28日公開の『知らないカノジョ』や3月7日公開の『35年目のラブレター』などのライバル作品の公開も待ち受けているので、『ファーストキス』はこのまま初週の勢いをキープできるかが、今後のカギとなりそうです」(同)
綾瀬はるかが吹き替えのアニメ映画『野生の島のロズ』、コラボ宣伝で大健闘!?
そんな『ファーストキス』と同日公開の長編アニメーション映画『野生の島のロズ』は2位、阿部寛主演の実写映画『ショウタイムセブン』も5位にそれぞれ初登場。
前者は米作家のピーター・ブラウン氏による児童文学『野生のロボット』シリーズを原作に、『シュレック』(01年公開)などで知られるドリームワークスが製作。日本語吹き替え版ではロズ役を綾瀬はるかが担当。初日から3日間で動員12万2,000人、興収1億7,000万円を記録した。
前出のヒナタカ氏は、こう解説する。
「海外のアニメ作品というと、日本ではディズニー・ピクサーのブランドがやはり強く、ドリームワークス制作のアニメは、まだファミリー層に浸透しきっていない印象が強くあります。代表作の『シュレック』は日本でも累計で22億円を超えましたが、近年では22年公開の『バッドガイズ』や23年公開の『長ぐつをはいたネコと9つの命』は累計でそれぞれ3億円台、2億円台の興行成績でしたし、そもそも日本で劇場公開がされない作品も多々ありました。