世間では旧態依然とした“根性論”などで「不登校が解決できる」「無理矢理にでも行かせるべきだ」という意見も。子どもたちを無理に通学させるのは、根本的な解決になるのか。保護者側の対策を、こど看さんはアドバイスします。
「とにかく『学校へ復帰させよう』として、不登校の対策を打とうとする社会的風潮もありますが、医療側としては疑問もあります。お子さんにとって身近な保護者の方には、まず、じっくりお子さんの声に耳を傾けてほしいと思っています。学校に通いたくない理由を、丁寧に、話をさえぎらず聞いていくことが大切です。そして、子どもから語られた言葉を大人の価値観で判断せず、その子にとってもっとも良いことはなにかを考えていってほしいです。
こういうことを言っていると、時折誤解されることもありますが、私自身は学校を否定してるわけではないんです。勉強ができておいしい給食を食べられて、友だちを作れるかもしれない環境には、意味があると思っているんです。ただ、子どもたちが『通いたくない』と思うなら、今は、学校内の支援学級やフリースクール、オンラインスクールの選択肢もありますし、お子さんの意見を尊重して『本人、そして、家族にとってもっともいい環境とは何か』を、みんなで話し合うのが理想です」
◆子どもの話をひととおり聞いてから共感する
こど看さんの勤務する病院では、保護者が子どもとの関わり方を学ぶ「ペアレントトレーニング」も実施しているそう。子どもたちに「どう声をかけたらいいか分からない」と悩む保護者に対して、日々、看護師としても心がけるコミュニケーションの方法も教えてくれました。
「お子さんの話をひととおり聞いてから『そうなんだね』と繰り返し共感するのが大事だと思います。知識も経験もある大人からみると、お子さんの話は突拍子もなく聞こえるかもしれません。会話の流れから察して『学校に通えないのはこんな理由でしょ?』と口を挟みたくなるかもしれません。