実際、入院となった場合は患者の子が在籍している学校にも状況を伝え、入院している子どもたちが教育を受けるために設置されている『院内学級』の利用手続きもすすめます。お子さんにとって負担にならなければ、病院から在籍する学校へ登校してもらいます」(以下、こど看さん)
通学のペースはまちまちで、子どもたちの状況を加味して週1時間、週1日……と、段階的に増やしていくケースもあるそう。実際の医療現場で、不登校児やその保護者と向き合うこど看さんは、各家庭にある切実な事情をじかに聞くこともあるといいます。
「お子さんが自宅で暴力を振るってしまったり、暴言を吐いてしまったり『生活に支障が出ている』という相談を受けるうちに、あわせて、お子さんが不登校になっている現状を聞くことが多いです」
◆不登校は「問題行動」ではない
こど看さんは一方で、「不登校は問題行動ではありません」とも強調します。
文部科学省も、2016年に全国の教育委員会に向けた通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」にて、不登校児童生徒を支援する上での基本的な姿勢として下記のように記載しています。
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不登校とは,多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を「問題行動」と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要であり、周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸長につながり,結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される。
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しかし現実には、保護者をはじめ、周囲の大人が深刻に受け止め過ぎているケースが少なくないといいます。