40歳前後は仕事においては折り返し地点。今までのキャリアを棚卸しし、これからの生き方を模索する女性も多いようです。「このままで良いの?」と考えた末、現在の仕事の延長線上、もしくは趣味の分野でフリーランスへ転向を考える女性が増えています。

フリーランスになるときに気を付けておきたいこと~フリーランスと会社員の違い~

会社員とフリーランスで圧倒的に違うことは「保障」です。会社員の場合は「協会けんぽ」もしくは「健康保険組合」、年金は「厚生年金」です。フリーランスになると「国民健康保険」「国民年金」になります。

会社員の場合、病気やけが、親の介護などで働けなくなったときでも、有給休暇があったり「傷病手当金」といった健康保険の保障、雇用保険の「介護休業給付」があったりするので、収入が0円にはなりません。

また「老後の保障」という観点から見ると、「厚生年金」があるので老後の年金収入が違います。どれくらい違うかは今後の収入や厚生年金の加入期間によって異なりますが、今後20年間、月収30万円で厚生年金に加入する場合は、年間約39万円の年金を受給できます。

年金を65歳から20年間受け取ったとすると39万円×20年=780万円となるので、これを自分で準備する場合は年間39万円の貯蓄をしなければなりません。

フリーランスになったときのお金の話

フリーランスになると、会社員のころにはわからなかった費用が発生します。例えば、年金保険料や健康保険料、税金(所得税、住民税)です。会社員時代は給与から天引きされているので、いくら払っているか意識する人は少ないのですが、いざ自分で払うようになると「こんなに!?」と金額に驚かれる人もいるでしょう。

また、フリーランスになると、技術向上のための研修に参加したり、仕事に必要な道具を購入したりメンテナンスしたりと「経費」も必要となるので、それら費用を加味した事業計画が必要となってきます。

事業が軌道に乗るまではアルバイトと掛け持ちで仕事をすることも可能ですが、体調を崩してしまうと元も子もないので、会社員の間に事業資金を貯めておくことも大切です。

フリーランスを考えるときは……

フリーランスは、「自分の好きな時間に働ける」「好きなことを収入にできる」「定年を気にせずいつまでも働ける」ことがメリットですが、同時に責任やリスクが会社員以上に大きくなることもあります。それらメリット・デメリットを踏まえて、「自分らしく生きるとは何か?」を考えることからスタートするといいでしょう。

文・冨士野喜子(ふじのFP事務所所属)

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