野菜が高い都内に住んでいながら、野菜をたくさんもらえるなんて、ありがたいことのような気がしますが、小百合さんはかなり迷惑に感じているといいます。
「義母は毎回、うちに来るときにスマホを持ってくるのを忘れるので、何時に来るのかわからないんです。私は『スマホを持ってきてください』というのですが『重いから置いてきちゃった』って。突然やってきたかと思うと、リュックサックからは大量のじゃがいも、ナス、ゴーヤ。食べるのは夫婦2人しかいないのに、とても食べきれない量で涙が出そうでした」
義母も好意でやっているから、文句も言いづらい。でも、出産直後で体力が落ち、ゼロ歳の子を育てている小百合さんにとっては、料理よりも寝たいのが本音でしょう。
◆真っ黒な出汁の煮物に夫が「母の味」
本当は、洗濯物や洗い物を義母には手伝ってほしかったそうですが、年齢的に足腰が痛いらしく、ほとんど小百合さんが家事をこなしています。
「義母は料理が下手で、野菜に醤油をかけて焼く以外できないんです。あるとき、珍しく煮物を作ってくれたんですが、汁が真っ黒! 口に入れてみたら吹き出すほどの濃い味。思わず、嫌がらせなのかも……と気になったら、帰宅してきた夫が一口食べて『あ、うちの味だ』と。味覚の違いにあぜんとしました」
結局、小百合さんの口にはあわないので、彼女が料理を作るはめになっています。
「毎回、毎回、下ごしらえが大変なゴーヤを持ってくるんです。毎日食べても無くならなくて、食べ飽きるどころか見るのも嫌になって。やんわり持ってこないように伝えてみても、毎週持ってくるんです。
先週、言ったことを忘れてしまったのかと不安になるほど、明るく『ほら、見ていたら食べたくなっちゃったでしょ』と、まるで悪気無し。この前はトイレに入っていたら『便秘なのはきゅうりを食べないからよ』と、自分の野菜を食べないからだと言ってきました」