離婚で財産分与を有利に進めるために気をつけること3つ
1.自分と相手の分与対象財産を把握する
特に共働き夫婦であれば、それぞれが預貯金口座の管理や保険などの支払いをしていて、お互いどういったものがあるか把握していないこともあるのではないでしょうか?
そのような場合、具体的な行動を起こす前に、相手の財産の確認をしておきましょう。保険であれば預金口座からの引き落としや控除証明、その他の書類などで、どこの保険会社のどのような商品かまで、押さえておきたいところです。
夫婦関係の有無にかかわらず、銀行が口座情報などの個人情報を本人以外に教えることはありません。特に、2003年に個人情報保護法が成立して以降、個人情報の取り扱いはいっそう厳しくなっています。
相手の財産についてあまりにも不明なものが多ければ、家庭裁判所の調停制度で調停員から開示を促してもらうこともできます。
2.別居後の生活費も請求を
財産分与にあたって協議がうまく進まなかった場合、民法768条では「家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額および方法を定める」としています。
本来、生活費の未払い分は財産分与と別の話ですが、裁判所では財産分与と合わせて清算する方向で考えられることがあります。
このことから、生活費の未払いがある場合は裁判所に申し立てることで、未払い分も含めた分与の決定がなされることもあり得る、とも言えるのです。裁判前に、話し合いか調停によって別居中の生活費を取り決めていれば、より考慮してもらいやすいでしょう。
3.離婚する前に話をまとめておこう
財産分与の取り決めは離婚した後でもできますが、いったん離婚するとお互いの都合が付きにくかったり、話し合いがなかなか進まなかったり、連絡さえ取れなくなる可能性もあります。
話し合いがつかないときは、先ほども述べたように、判断を家庭裁判所に委ねる制度(審判)が利用できますが、これは離婚後2年以内と定められています。
離婚後の1年は思った以上に早いもの。財産分与の取り決めはできる限り離婚前にまとめておくことをおすすめします。
財産分与で損しないためにも、専門家に相談を!
財産分与は複雑で、さまざまな点から考慮する必要があります。財産分与についての不安や疑問、離婚に向けた話し合いの進め方も含め、専門家のアドバイスは何よりの味方になるはず。
離婚で生活が一転してしまった……なんてことにならないよう、早い段階で弁護士に相談するようにしましょう。
文・片島 由賀(弁護士)/DAILY ANDS
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