産休中にもらえる「出産手当金」とは?
ここまでに何度か出てきた「出産手当金」。これは、お給料の出ない産前産後休業期間中にお給料の代わりとなるお金です。
安心して出産に臨めるよう、しっかりと内容を理解しておきましょう。
出産手当金とは?
出産手当金とは、企業には産休中に給料を支払う義務がないため、その間の収入を補てんする意味合いで、事業者に代わって健康保険から支給されるお金です。
では、自営業者などが加入する国民健康保険はどうかといえば、出産手当金は任意給付とされているため、実際のところ給付を行っている自治体はないと見ていいでしょう。ですから、国民健康保険に加入している方は別途、出産前後に必要なお金を前もって準備しておく必要があります。
出産手当金支給額の計算方法
出産手当金は、以下の方法で算出した休業1日あたりの手当(支給日額)が、産前産後休業として取得した日数分支給されます。
支給日額=標準報酬月額÷30日×2/3
よく分からなくても、ざっくりと「給料の2/3程度」と見ておけば大丈夫です。残りの給料1/3程度をどう補うかを考えておきましょう。
出産手当金の手続き方法
出産手当金は健康保険から支給されます。
まず、産前産後産休に入る前に勤め先の社会保険の担当部署などから申請用紙をもらいましょう。また、加入している健康保険のホームページでも申請用紙がダウンロードできます。
出産後に「担当医師・助産師による証明」を受けたうえで、「出産日または出産予定日以前42日から、出産日後56日目まで」の範囲内で実際に休業した日数分を申請します。このとき、申請書は会社に提出すればよいのか、管轄の社会保険事務所に自分で提出するのかは会社によって異なります。あらかじめ確認しておきましょう。
なお、万が一申請し忘れても、産休開始日の翌日から2年以内であれば申請可能です。ただし、2年を過ぎると、過ぎた日数分だけ手当金が減ってしまいます。せっかくのありがたい制度ですから、もらい損ねないようにしたいですね。
出産手当金を受け取るときの注意点
出産手当金は確かに「給料の代わりにもらえるお金」といえますが、産休中もお給料のように毎月もらえるというわけではなく、申請後にまとめて支給される仕組みとなっています。
一般的には産後休業が終了となる「出産日の翌日から56日以降」に申請し、実際にもらえるのは、申請手続き完了から1~4カ月後。ですから、産休中に必要となるお金は事前にしっかり準備しておくことが重要となります。