ヌガー:フランスのソフトキャンディー
フランス生まれのお菓子で、砂糖と水飴を低温で煮詰め、ナッツやドライフルーツなどを混ぜ冷し固めて作るソフトキャンディーです。昔のプロヴァンス語でクルミのお菓子をヌガーといったことが由来になっているようです。日本でもチロルチョコの定番味「コーヒーヌガー」で広く親しまれていますね。茶色く、粘り気のある食感が特徴です。
イタリアンメレンゲと生クリームを合わせた生地にヌガーを合わせて冷やし固める氷菓「ヌガーグラッセ」も人気です。現在は台湾でバラエティ豊かに作られ、お土産として注目を集めています。
スプモーネ:「泡立つ」を意味するイタリアの氷菓
スプモーネは異なる色・風味のアイスクリームを重ねて作るイタリアの氷菓です。「泡立つ」を意味するspumaから来ており、アメリカやカナダでは複数形の「Spumoni(スプモーニ)」と呼ばれています。
一般的なスプモーネでは3つの風味のアイスクリームを使用し、間にナッツや果物の層を作られます。伝統的に赤、緑、茶色の3色で作られることが多いので、サクランボ、ピスタチオ、チョコレートが多いそう。アメリカでは8月21日がスプモーニの日になっています。
クグロフ:マリー・アントワネットも愛した洋菓子
フランスのアルザス地方で日曜日の朝に焼くパンとして親しまれてたお菓子です。斜めにうねりのある蛇の目型(クグロフ型)にブリオッシュ風の生地を入れて焼き上げ、粉砂糖を振りかけたもの。オーストリアではクリスマスに欠かせないお菓子です。
フランスのルイ16世の王妃で、オーストラリアウィーンで生まれ育ったマリー・アントワネットの好物であったことでも知られています。ドイツ語では「グーゲルフップフ」「クーゲルホップフ」「アッシュクーヘン」などと呼ばれています。
ういろう:古くから愛される和菓子
日本で古くから愛される和菓子の一種で、穀粉に砂糖と湯水を練り合わせて蒸して作られます。穀粉には米粉、小麦粉、ワラビ粉などが使用され、砂糖には白砂糖、黒砂糖などが用いられることが多いです。もっちりした食感と、透き通るような見た目の美しさが魅力です!
元々は、室町時代のころから存在する黒砂糖を用いた「黒糖ういろう」ではないかと言われています。現在は名古屋名物として最も有名ですが、京都や山口、徳島の名物でもある全国で愛される和菓子です。
ポルボローネ:パウダーを意味するスペイン菓子
スペイン語でパウダーを意味する「ポルボローネ」は、口に入れるとホロホロと崩れるクッキーです。スペインでは「ポルボロン」と呼ばれており、日本に伝わった際複数形のpolvoronesからsが抜けて広まったのではないかと言われています。
約1200年前のイスラム時代からスペインのアンダルシア地方に伝わる、歴史あるお菓子で、古くから修道院で作られていたそう。その口どけの速さから、「崩れる前に『ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン』と3回唱えられたら幸運が訪れる」という言い伝えがあります。
ガレットブルトンヌ:フランス・ブルターニュー地方の洋菓子
フランス・ブルターニュー地方で生まれた焼き菓子です。「ガレット」は丸くて平たいお菓子のこと、「ブルトンヌ」はブルターニュ風の~という意味です。
日本では厚焼きサブレのことを指すのが一般的ですが、本場では厚いものを「パレット」薄いものを「ガレット」と分類しているため、日本で親しまれているものは正しくは「パレットブルトンヌ」なんですよ。
バターの風味たっぷりのリッチな味わいは、乳製品と塩の産地ブルターニュならではのお菓子です。
ポップオーバー:中が空洞のパン
エッグバターで作られる、中が空洞のロールパンです。マフィン型かポップオーバーパンの型で焼かれます。ほんのり甘いパンなので、バターやジャムを塗りお菓子としても食べられ、スコーン代わりにも提供されます。
「ポップオーバー」は、バターが焼いているときにマフィン型から飛び出す(pop)ことからつけられた名前です。イギリスのヨークシャー・プディングやバター・プディングのアメリカ版として誕生し、進化して今の形になったとか。日本でも少しずつ広まっています。
ロクム:喉の満足を意味するトルコ菓子
砂糖にデンプンとナッツを加えて作るトルコのお菓子。英語ではターキッシュ・ディライト(トルコの悦び)と呼ばれています。柔らかく弾力がある飴のようなお菓子です。
トルコでは15世紀から作られており、語源はアラビア語で「喉の満足」を意味する「rāḥat al-ḥalqum」です。世界的に高い知名度のあるお菓子ですが、日本ではあまり親しまれていません。
だいふく(大福):餡を餅で包んだ和菓子
餡を餅で包んだ和菓子の一種で、大福餅とも呼ばれる日本の和菓子です。江戸時代初期に生まれた鶉餅(うずらもち)が明和8年に形を変えて生まれた大福は、腹持ちがよいことから腹太餅(はらぶともち)、大腹餅(だいふくもち)という名で広まりました。
餡の代わりにイチゴやカスタードクリームを入れたものなど様々なバリエーションがあり、モンブラン大福やコーヒー大福、カフェオレ大福といった変わり種もあります。「大福」は白くて丸いものの比喩としても使われています。
鹿の子(かのこ):鹿の背の斑点に似ていることから名付けられた和菓子
ぎゅうひまたはようかんをあんで包み,その上にみつ煮の小豆をつけた和菓子です。小豆の並んだ様子が鹿の背の斑点がある様に似ていることから鹿の子(かのこ)名付けられました。小豆のほかの豆を付けたものも作られます。
18世紀に東京日本橋で生まれ、江戸の後期には人気のあるお菓子だったそう。1761年刊行の資料で紹介されている作り方が現在とほぼ同じであることから、古くからほとんど変わることなく伝わっていることがわかります。