ろう児・難聴児の総合学習塾「デフアカデミー」を展開するSilent Voice(サイレントボイス)は、7月22日(土)にろう児・難聴児による、ろう児・難聴児のための「夏祭り」を開催する。

聞こえない聞こえにくい子どもたちが主体の夏祭り

「デフアカデミー」に通う小学生~中学生のろう児・難聴児が主催して「夏祭り」を開催。チケットや装飾、かき氷屋や射的ゲームなどの催し物の数々、全て子どもたちが推進して手作りしている。「夏祭り」本番の日は、各地からのユーザーを招き入れ、子どもたちが接客をして交流する。

「夏祭り」の参加対象は、大阪府内・近郊在住の聞こえない・聞こえにくい未就学児から高校生とその保護者、きょうだいだ。

マスクで口元が見えないコミュニケーションから解放


新型コロナウィルスで当たり前になったマスクは、口形を読み取って会話を理解していた、ろう児・難聴児にとっては大きな障壁に。口元が隠れ、誰が話しているかわからない。そのような不安の訴えが多く聞かれたそうだ。

Silent Voiceは、そういったコロナ禍の課題に対し「透明マスクの配布」や「オンライン対話授業の無償提供」を行ってきた。新型コロナウィルスの5類移行やマスク着用ルールの緩和は、そういったコミュニケーション不安からの解放も意味している。

「デフアカデミー」について


ろう児・難聴児の総合学習塾「デフアカデミー」は、2017年に設立。これまで約200名のろう児・難聴児の子どもたちと出会ってきた。子ども1000人に1人と言われる聞こえない聞こえにくい子どもたちは、地域(習い事など)や学校、家庭の中でも‟たった1人の聞こえない子”になりやすく、会話の壁から結論だけを聞いて動くことも多くなりがちだそう。

「デフアカデミー」は、対話型プロジェクト授業を通じて子どもたちが会話プロセスを理解し合い、一人ひとりの主体性を持った活動を支援している。

Silent Voiceについて


Silent Voiceは、「デフ(ろう者・難聴者)と聴者(聞こえる人)の共にできるをふやす」をスローガンに、教育と就労の分野で今の時代だからこそ遂げられる変化を作り出すために活動している。スタッフは聞こえる・聞こえない人が半数ずつで働いている。

100%対面で行われる、聞こえない聞こえにくい子どもたちが主体の「夏祭り」とSilent Voiceの今後の活動にも注目してみては。

■夏祭り/デフアカデミー
開催日時:7月22日(土)1枠目10:30~11:30、2枠目10:30~11:30、3枠目11:30~12:30
住所:大阪府大阪市中央区安堂寺町1-3-12 大阪谷町ビル4F
Silent Voice公式サイト:https://silentvoice.org/
<留意点>
・当日、顔出しNGの子どもをテープを貼ることで区別している
・スペースの都合上、大きな機器を置く場所はない
・窓口は手話のできる聴者(聞こえる人)が対応する

(角谷良平)