子どもが将来お金で困ることがないようにしてあげたいというのは、多くの親が願うところでしょう。そのためには、学校の勉強をがんばる以外にも「正しい金銭感覚を身に付ける」ことも重要です。家庭での金銭教育(マネー教育)は近年脚光を浴びていて、熱心に取り組む方も増えています。
ただ、いきなり「お金の教育」といっても、何から手をつけたらいいのかわからないという方もいるでしょう。そんなときは、まずはおこづかい帳の付け方を子どもに教えてあげるのがおすすめです。
おこづかい帳で子どもの金銭感覚を養う
おこづかい帳は、大人が家計管理のために付ける家計簿の簡易版です。なぜ子どもの金銭感覚を養うために「おこづかい帳」が役立つのかというと、次の3つのメリットがあるからです。
- お金の大切さを実感する
- 自己管理能力を高める
- 計画性を身に付ける
子どもは、おこづかい帳の記録を通して、「使い過ぎてしまった」「あれが欲しいけどお金が足りない」という小さな挫折を経験します。その結果「どうすれば使い過ぎずに済むのか」「どうすれば欲しいものを手に入れることができるのか」と一生懸命考えるようになり、それが金銭感覚を養うことにつながるのです。
子どものうちからこうした経験を積んでおくことで、大人になって一人暮らしをしたり自分で収入を得るようになったりしてからも、うまくお金をコントロールできるでしょう。
自分の欲望とお金の折り合いをつけてきちんと管理する、計画的に有意義な使い方をする、そのときに応じて我慢や工夫をして乗り切る、おこづかい帳を通して身に付けられるこうした行動パターンは、お金持ちなら当たり前にできていることばかりです。
もちろん、小さい頃におこづかい帳を付けていたからといって将来100%お金持ちになれるとは限りません。でも、いくらお金を稼げるようになったとしても、金銭感覚が狂っていてはお金持ちでいられないということは確かです。
おこづかい帳を始めるときのポイント
おこづかい帳を付けることになったからといって、入ってきたお金と使ったお金を記録して「はい、終わり」では、ほぼ意味がありません。おこづかい帳を始めるときに大切なポイントは次の4つです。
子ども自身におこづかい帳を付けるメリットを感じてもらう
おこづかい帳を付け始めるときは、親が「なぜそれが必要なのか、それを付けることでどんないいことがあるのか」をよく説明してあげましょう。それがないと子どもは、宿題が1つ増えたような感覚で「めんどくさい」と思ってやりたがらなくなってしまいます。
定期的に振り返りを行う
子どもが自分のお金の使い方について考えたり、計画したり反省したりできるように、記録した内容を振り返る時間を取ってあげるとよいでしょう。
おこづかい帳の効果を最大限発揮してあげられるように、子どもの自主性を尊重してあげましょう。親は「ああしなさい」「こうしなさい」と指示をするのではなく、子どもが自分で答えを出せないときにアドバイスをしてあげるくらいにとどめておくことです。
子どもが自分のことを自分で考え、自分で工夫して改善していくという成功体験を積ませてあげることは、金銭感覚の面に限らず、その子の成長に役立つはずです。