「毎日子どもを叱ってしまう。」「イライラしてつい声を荒げてしまう。」
子どもに怒鳴った後は何とも言えない罪悪感にさいなまれ、辛い気持ちになるママも多いでしょう。
そこで今回は、子どもを怒らないで育てる【叱らない育児】について大調査!𠮟らない育児の成功例&失敗例や、子どもを怒らないで済むコツをお伝えします。
また、【実録:”間違った叱らない育児”で育った子の末路】もご紹介。「叱らないで育てれば、優しくで穏やかな子になるはず。」と単純に考えている人は必見です。
1.そもそも「叱らない育児」とは?
「叱らない育児」は、その名の通り”子どもを叱らないようにする育児法”です。30年ほど前に、アメリカから「子どもをのびのび育てよう」という育児法が日本に紹介されたことがきっかけで、徐々に浸透してきました。
当時のアメリカでは、親が子どもに厳しくし過ぎたことで”消極的な子”が増えてしまい、問題視されていました。そこで、それを解消するために「𠮟らない育児」が考案されたと言われています。
現在の日本では、「𠮟らない育児」の捉え方や方法について様々な解釈があります。
- 親が子どもを感情的に怒ることを避ける
- 代わりに優しく言い聞かせて理解を促す
というスタンスが一般的な「𠮟らない育児」の考え方で、様々な教育評論家がそのメソッドを提唱しています。
中でも有名なのが、みなさんご存じの尾木ママ(尾木直樹先生)です!
尾木ママは「叱らない育児」の提唱者として有名で、「子どもの好奇心や自尊心を尊重し、叱ることよりも褒めることで子どもの成長を促す」という育児法を主張しています。そのメソッドはママ達の心に響き、多くの支持も集めています!
しかし、「叱らない育児」という言葉だけが一人歩きしてしまい、一部では”間違った叱らない育児”をしている人も少なくありません。
- 子どもが他人に迷惑をかけても叱らない
- 危険な行為をした時も見守るだけ
など、叱らない育児を”勘違い”している人が多いのです。
そこで次では、「叱らない育児の正しい方法」をまとめました!叱らない育児を実践したい人は必見です。
2.キーワードは”冷静”「叱らない育児」の正しい方法は?
(1)子どもの問題行動より先に褒める!
叱らない育児を成功させるには、子どもが問題行動をする前に”褒める”ことが大事です。
あなたが子どもを叱るのはどんな時ですか?
- きちんと座って食べない
- ダラダラして宿題を始めない
- 静かにすべき時に騒ぐ
など、多くのママは【子どもが注意散漫になる時】に叱ることが多いですよね。
実は、叱らない育児は子どもが注意散漫になるのを”事前に防ぐ”のがポイント。それには、注意散漫になる前にすかさず褒めることが有効です。
少しでも椅子に座ったらすかさず褒める。宿題のドリルを手に持った段階で褒める。など、ポジティブ行動を少しでもしたら、すぐさま褒めてあげましょう。
そうすることで、子どもに「正しい行動を続けよう!」という意志が芽生えます。これを継続すれば、徐々に叱る回数が減っていくことでしょう。
(2)子どもをよく観察する
もうお気づきかと思いますが、子どもをすかさず褒めるには【我が子をよく観察すること】が欠かせません。子どものポジティブな行動を見逃さずに誉めるには、ママの観察力が重要なのです。
【叱らない育児=見守る】というイメージがあるかもしれませんが、ただボーッと見ていてもダメです!今子どもが何を思い、なぜそのような行動をしているのか?見逃さないようにしましょう。
(3)”叱る”と”怒る”を区別する
叱らない育児を成功させるには、ママ自身が”叱る”と”怒る”を区別する必要があります。
”叱る”と”怒る”は似たような言葉ですが、子育てにおける意味合いは大きく異なります。
- 叱ると怒るの違いは?
- 「叱る」…子どもの成長を考えて問題行動を改めさせるために行う行為
- 「怒る」…親の感情が爆発しイライラをそのまま子どもにぶつける行為
いかがでしょうか?
う~ん…。耳が痛い!「叱る」より「怒る」をしてしまっているかも。
そんなママも多いでしょう。
子どもにイライラ感情をぶつけて怒るのは、一方的な親の都合。子どもにとって有益な学習につながらないことの方が多いです。このことを考えると、「叱らない育児」は「怒らない育児」と言い換えてもおかしくないでしょう。
ただし、「怒る」も全く必要がないわけではありません。
例えば、子どもが道路に飛び出したり、友達に意地悪や暴力をしたりした時には、その場でバッ!と怒ることも必要です。このあたりのメリハリをつけることも、𠮟らない育児のテクニックと言えるでしょう。
(4)子どもを罰することをやめる
子どもに”罰”を与えるのはよくありません。
恐怖感や罰で子どもを支配すれば、親の言う通りにするでしょう。正しいルールを覚えることだってできます。
しかし、”罰”を与えることの悪影響の方が大きいです。
罰を与えられて育った子は「罰を避ける行動」ばかりとり、自主性がなくなります。また、同じように友達に罰を課すこともあるでしょう。親に対する反抗心が爆発するケースも少なくありません。
では、罰を与えずに子どもに正しい行動を教えるには、どうすればいいのでしょうか?
それには”約束”が有効です。
例えば、宿題を始めようとしない子の場合、「毎日〇時から宿題をする。」という約束を交わしてみましょう。その約束が守れた時は大いに褒め、正しい行動を教えるのがおすすめです。
(5)叱る境界線をぶらさない
叱らない子育てには、”叱る境界線”をぶらさないことも大事です。
「どのような行動をした時に叱るのか?」親の中でしっかり決めておおかなければ、方針がブレブレになり子どもが判断に迷ってしまいます。
例えば、子どもが友達のおもちゃを無理矢理取り上げた時、「普段は叱るのにママ友と話し込んでいる時はスルーする。」なんてことはありませんか?これでは、叱る境界線がブレブレです。
どんな時でも「してはいけないこと」の境界線をブラさず、毅然とした態度で子どもと接することも、叱らない育児には重要なのです。
(6)叱る前に選択肢を与える
子どもを叱る前に”選択肢”を与えることも有効です。
子どもが駄々をこねた時にすぐに叱るのではなく、その後の行動を選ばせてあげて下さい。
例えば、「〇時になったら宿題をする?それとも、先にお風呂に入って宿題は〇時からにする?」など、子どもが自分で決めることで「約束を守ろう!」という意識が高まります。
3.叱らない育児の成功例
では、叱らない育児に成功するとどのような子に育つのでしょうか?実例をご紹介していきます。
(1)叱らない育児の成功例①:能動的に動ける子に育った
小さい頃から”対話”を意識して育ててきました。そのせいか?物事を自分でよく考えて能動的に動ける子どもに育っています。友人関係がうまくいかない時、トラブルを起こした子の話をよく聞いて解決策を導きだしているのをみて、とても嬉しくなりました。
(小学5年生・女の子のママ)
(2)叱らない育児の成功例②:穏やかで優しい子に育った
叱らない育児を赤ちゃんの頃から始めて、今年で7年目です。小学校に入学しましたが、お友達とトラブルになることがありません。困っている子に手を差し伸べたり、譲ってあげたり、親から見ても本当に優しい子になっています。
(小学1年生・男の子のママ)
(3)叱らない育児の成功例③:好奇心をもって意欲旺盛な子に育った
息子は、興味のあることに意欲的に取り組める子だと思います。分からない問題があっても癇癪を起こすことがなく、「ちょっとまって!もう少し時間ちょうだい。」と冷静に考えることができています。上から叱りつけるのではなく、根気強く教えてきた成果かな?と嬉しく思っています。
(小学4年生・男の子のママ)
いかがでしょうか?
叱らない育児が成功すると、意欲溢れる優しい子に育つことが分かりますね。
「叱らない育児」の成功は子どもが持って生まれた”性格”にも大きく左右されますが、一般的には自信に満ち溢れ、好奇心や主体性を持った子になると言われているのです。
4.叱らない育児の失敗例
では、間違った叱らない育児をしてしまうと、子どもはどうなってしまうのでしょうか?実例をみていきましょう。
(1)叱らない育児の失敗例①:我慢ができない子に育った
叱らない育児が過ぎたのでしょうか…?小学校2年生の娘は、「自分が一番!」という女王様気質に育っている気がします。気に入らないことがあると友達を叩いていると、学校から連絡がありました。子どもの意思を尊重して怒らない育児をしていたつもりですが、ただの甘やかしになっていたのかもしれません。
(小学2年生・女の子のママ)
(2)叱らない育児の失敗例②:ルールが守れない子に育った
ママ友の子がかなり我儘。社会的ルールが守れず、静止しても自分の思い通りの行動をしてしまいます。ドッチボールをしている時、ボールが当たった途端に「おもしろくない!やめた!」と走って逃げた時はあっけにとられました…。肝心はママは「うちは子どもに任せているから。」と叱りもしません。このままでいいのか?他人の私が心配になるほどです。
(小学3年生・男の子のママ)
いかがでしょうか?読んでいて怖くなる話ですが、全て体験談を元にした実話です。
叱らない育児は、一歩間違えると”モンスター級のワガママな子”にする可能性をはらんでいます。しかも、そのような子に限って、肝心な親が危うさに全く気付いていません。
次では、”間違った叱らない育児”を実践したママ友の末路をご紹介していきます。
5.【実録】「間違った叱らない育児」を実践したママ友Aの末路
(1)ママにとって息子は王子様
教育熱心なAさんは、出会うなり「私は叱らない育児をしているの。」と高らかに宣言。その言葉通り、Aさんが息子さん(Aくん)を叱るシーンを一度も見たことがありませんでした。
その後私は引っ越し、Aさんとも疎遠になっていたのですが…。ひょんなことから、思いがけず同じ小学校に通うことに。数年ぶりに会ったAさんは相変わらず叱りませんが、息子さんのできも良いようで、「Aはすごいの。○○の大会で優勝したのよ!」と、以前にも増して自信満々です。
でも、肝心のAくんの様子がなんだか昔と違いました。私の息子がAくんに話しかけると、「お前誰?知らねー。」、「お前○○できる?できないだろ?俺は優勝した。」といきなりマウンティングの嵐。
しかも、その様子を見たAさんが驚愕の一言を放ったんです。
「うちの息子は、○○くん(私の息子)とは違うから…♡」
はい?もう私の思考は完全停止。確かに我が子は「○○(ある競技)」も習っていませんし、特別勉強ができるわけでもありません。でも、久々に会って小一時間でその態度はないだろ!と…。
私がヒシヒシと感じたのは、【Aさんにとって息子くんは王子様なんだ】ということです。
息子が小さい頃は、「𠮟らない育児をするなんてすごいなぁ。私には無理だわ。」とAさんを尊敬していましたが、「これ、何だか間違っているんじゃない?」と思い始めました。
(2)完全な問題児と化したAくん
その後、予想通りAくんは学校のトラブルメーカーになりました。
- 友達を叩く、蹴る
- 気に入らないことがあると怒鳴る
- 人に迷惑をかけても知らん顔
- 授業中に教室の外に出る
など、完全なる問題児と化したAくん。
他の保護者からのクレームも多く、Aさんは度々担任の先生から電話を受けていたようです。流石のAさんも、「うちの子マズイかも…。」と思い始めたようで、そのことについて相談されたこともあります。
(3)A君&ママは嫌われ者に…。
でも、正直言って、私はこれ以上Aさんに関わりたくないのが本音です。親身になってアドバイスする気になんてなれません。
その頃には、他のママ友からもAさん&Aくんの悪い噂が漏れ聞こえ、まともに相手にする人は誰一人いないようでした。
あれから2年。偶然会えば挨拶くらいはしますが、ほぼ関わりがなくなったAさん。今、AさんとAくんがどうしているのかは分かりませんが、小学校入学までの6年間を我儘に過ごした強烈な癖は、もはやリカバーするのが難しいのでは?と思っています。
6.叱らな育児は迷惑?わがままな子が回りに及ぼす影響
Aさんの話は作り話ではなく、完全な実話です。間違った叱らない育児は周囲に多大な迷惑を掛けるばかりか、子ども自身が嫌われる原因にもなり得ます。
- ワガママな子は周囲にどう思われる?
- 協調性に欠ける行動をとる→付き合いにくい子という認識を産む
- 自分都合で物事を決める→打算的で嫌な子と思われる
- 感情の振れ幅が大きい→怒らせないように腫物扱いされる
など、当然ですがわがままな子に育てるメリットは一つもありません。
間違った叱らない育児をすると、子どもの将来を”生き辛く”させてしまいます。
能動的な行動は大事ですが、それは周囲に迷惑を掛けないことが大前提です。”ワガママ”と”自主性”は似て非なるものということを、忘れないようにしましょう。
「正しい𠮟らない育児」でママも子どももハッピーに!
いかがでしたか?
叱らない育児はママも子どももハッピーにしますが、やり方を間違えると親子揃って辛い思いをしてしまいます。
叱らない育児をする際には「怒る」と「叱る」の区別をつけ、メリハリのある対応を心掛けましょう。
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提供・PRIME
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