この記事は中村悦子氏・久保田兼右氏の著書『人もお金も自然と集まるファンクラブビジネスの始め方』(すばる舎)の内容を抜粋したものになります。
※以下、書籍より抜粋
「どこで買うか」「誰から買うか」
ものがあふれる時代、消費者は厳しい選択眼を持った
「どこで買うか」「誰から買うか」が重要な時代になってきた背景を考えてみましょう。
少し前なら「良い製品」「有名な会社の製品」「新製品」であれば売れましたが、今はものが余っている時代です。かつてのようには売れません。
世界にたった1つのモノでもない限り、たくさんある選択肢の中から、どこで、誰から買うかを消費者が自分の嗜好で選ぶようになったのです。
価格比較サイトなどを見れば、同じ商品を最安値で買うことができますし、商品のスペックも一目瞭然です。
「大企業だから」とか「良さそうな商品だから」という理由だけでは買いません。
売る側にファンがいることが大事になってきます。
自分や自社を磨き、「あなた」または「あなたたちから買いたい」というファンを増やしていく、それがとても大切になってきています。
例えば、テレビショッピングでもジャパネットの高田社長がお勧めしていれば、買いたくなりませんか?(あいにく高田社長はテレビ出演からは引退されてしまいましたが)
化粧品でもIKKOさんお勧めならば、つい手に取りたくなります。
求める「もの・こと」が細分化されている
今は「何を買うか」ではなく、「誰(どこから・どこで)から買うか」で消費活動が決まる時代であることがおわかりいただけた、あるいはとうの前に気づいていらした方も多いでしょう。
また、消費者の求める「もの・こと」も細分化されてきています。
通りいっぺんのハイブランド神話ももはや崩壊の過程にあるようです。
芸能人ですら、プチプラブランドの「しまむら」「GU」「ZARA」を着てSNSにアップすることで、アクセス数を稼ぐ時代です。
こういう時代だからこそ、企業や個人は、「ファン」をつくり、こちらから営業するのではなく、ファンが「新商品はまだ?」と待ち望むシステムをつくるべきです。
それがファンクラブをつくるメリットでもあるわけです。
集客ばかりをしていると心が疲弊してしまう
集客をする側もされる側も疲れている
ネットマーケティングが世の中にあふれ、人々がそれに慣れてしまい、どんどん過激化しています。
「フック」を掛ける言葉があふれ、「もっともっと」とどんどん人の心の傷に塩を塗ることが多くなっているのは残念で仕方がありません。
特に、ファンクラブやコミュニティにおいては、過度なネットマーケティングは逆効果となっています。
例えばよくある、「あと何組」「あと何時間で終了」などの文字は、見るだけでうんざりする人が圧倒的に増えています。
「ショップチャンネル」などのテレビショッピングも「あと何点」や注文数が表示されますが、いまだに人気があるのは、リアルな人間がやっているからです。
ネットマーケティングよりは、ぬくもりがあり、少なくなっていく在庫の争奪戦は、ある種の「ゲーム感覚」に近いからでしょう。
ショップチャンネルを見ている主婦などは、「掃除しながら」「洗濯しながら」「料理しながら」見ていると言われています。
もし、人間の声ではなく、機械的な声だったら、こんなに売れ続けることはないでしょう。