「折りたたまれたドル紙幣が落ちていても、絶対に拾うな」――。昨年夏ごろ、米国内でしきりと語られた話だ。合成麻薬のフェンタニルが包まれていることがあり、拾うと無意識のうちにフェンタニルを摂取してしまう危険があるからだ。秋になった頃には、市井の会話からこの話題はほとんど消えたが、今月、フロリダ州のローカルニュースサイトの小さな記事を偶然に目にし、この「教訓」を思い出した。
ビレッジズ・ニュースによると、フロリダ州ワイルドウッドの地元警察は2月6日、コンビニエンスストアで不審な行動をしていたミシガン州カウカウリンに住む男(35)を麻薬所持の容疑で逮捕した。ナイフと注射器のほかに、折りたたんだドル紙幣を所持していた。紙幣をほどくと中に白い粉があり、分析の結果、フェンタニルであることがわかった。
麻薬常用者はコカインにせよ、フェンタニルせよ、固く折りたたんだドル紙幣に包んで粉末を持ち歩くことが多い。鼻から粉末を吸引する場合、丸めたドル紙幣を使うからだ。紙幣で粉末を包めば、モノと道具をまとめて持参できる。逮捕された男も、自分で使うために所持していたのだろう。
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