2)利回りが低い。

アパート経営は長期融資を引きたいと考える方が大半かと思いますが、金利が上がらないという保証はどこにもありません。そこへ来て、立地が9割ということは……、そう。良い土地の地価は高いもの。取得するための初期費用が相当かかることになりますね。必然的に利回りは低くなります。

果たして、長期金利に耐え得る期間ずっとその土地に価値があるのか?\

また、例えば30年後も今と同じ金利なのか?\

最悪、どのくらいまで金利が上がっても対応できるのか?

そういったことも、最低限シミュレーションしておいたほうがよいでしょう。

3)空室リスクは「一見」低い、けれど……

ワンルームマンション投資や戸建て投資と異なり、アパートは部屋数があるので、1室が空いても他でカバーできる――。

それをメリットとアナウンスしている記事も多いのですが、私自身の実感としては、「怖くて手が出せない」というのが本音です。というのも、その理由は都心の自殺率の高さです。

極端な話に感じるかもしれませんが、日本では毎年2万人を超える人が自殺しています。これは、世界的に見てもワースト6位の数字で、日清戦争での死者数よりも多い数の人が毎年亡くなっているということなのです。

また、自殺だけでなく、仮にアパートが20室あったとして、そのうち1部屋で異臭騒ぎでも起きたとしたら? 犯罪者が暮らしていることが発覚して報道されたら? 何らかのトラブルで20室全てが空室になるという最悪のケースも、本来であれば頭の片隅に入れておいたほうがよいのではないでしょうか。

不労所得は分散投資でリスクヘッジ

……と、そんなリスクを見ていくと、仮に2000万円を投資するとした場合、20室のアパート1棟を都心で経営するよりかは、400万円で木造戸建てを郊外に5棟持ち、うち2棟をシェアハウスにするなどプラニングしたほうが安全ではないか。

というのが筆者の考えです。ちなみに筆者は、「自主管理雑務もけっこう楽しい」と考えている大家だと補足しておきます。

完全なほったらかしにしたいのであれば、1棟だけをどこかの管理会社に委託するほうが……確かに、税務の関係などは楽です。しかし、それで破産したら元も子もありません。本記事では割愛しますが、信頼できる管理会社を探すのも、また大変なことなのです。

今は戸建てなど、小規模投資でも融資を引きやすい公庫がありますから、アパート経営以外のスタイルも検討されてみてはいかがでしょうか。

***

以上、アパート経営について見てきました。

投資というのは創意工夫です。メリットが大きいからやる、デメリットが大きいからやらないというのではまず成功しません。「リスクテイカー」という言葉がありますが、要はデメリットが目立っても、それを補填できれば問題ないのです。

そして不動産投資の面白いところは、「人が欲しがらない物件ほど化けやすい」という特徴があるところ。この辺りは、「こんなに安いの? 不動産投資の意外な真実」をぜひご参照ください。

あなたにピッタリの投資スタイルが見つかりますよう、千葉県の片隅から応援しております!

文・一鷹(個人大家兼投資家)/DAILY ANDS

【こちらの記事もおすすめ】
もう?まだ?アラフォー独身女性が今から考えるべき「老後のお金」3つのポイント
豊かな老後を迎えるために、アラフォーが今すぐすべき3つのToDoリスト
独身女性が安心できる貯金額はいくら?漠然とした不安を解消する簡単な方法
一生独身かも…老後が不安なアラフォー女性のための、幸せ貯金計画
人生100年時代を生き抜く私たちに必要な「生涯学習」って?

※当サイトの情報の内容に関しては万全を期していますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。