最近は、小麦などに含まれる成分「グルテン」を摂取しないようにする、グルテンフリーという言葉をよく目にしますよね。実際に、グルテンを気にして、パスタなどの小麦製品を控えている方も多いのではないでしょうか。
悪者にされがちな小麦(グルテン)ですが、実は工夫次第で腸に良い効果があることが分かっています。特に、パスタを食べる時にその効果が高くなるのです。そこで今回は、小麦製品の代表でもあるパスタを食べる時にできる、腸内環境を整える工夫をお伝えします。
◆パスタを腸活食材に変身させる調理方法
カルボナーラやナポリタンなど、パスタは美味しい料理が多いですよね。安くて便利なところも助かります。そんなパスタで腸内環境を整える方法とは、ずばり結論をいうと「冷製パスタ」にして食べることです。
9月まではまだ暑い日が続きますし、もしかしたら冷製パスタをよく食べる!ということも多いかもしれません。パスタを冷やすことが腸活に繋がっているなんて、何だか嬉しい気持ちですよね。
それに、パスタを冷やすことは、腸に良いだけでなくダイエットにも効果的だと判明しています。ここからは、冷製パスタは具体的にどのような効果が期待できるのか?詳しくお伝えしますね。
◆冷製パスタがなぜ腸活にいいのか
パスタを冷やすことで得られる効果はたくさんあります。その中でも、まず最初に注目されているのが整腸作用なのです。なぜパスタを冷やすだけで、腸内環境を整えることができるのか?そのメカニズムは、とある成分が増えるから。
その成分の正体は、「レジスタントスターチ」と呼ばれるものです。
最近は、テレビや雑誌でも取り上げられることがあるので、聞いたことがあるかもしれません。このレジスタントスターチという成分の最大の特徴は、とにかく消化がしにくいこと。消化とは、食べ物の栄養素を吸収することです。
それでは、温かいパスタと冷製パスタを比較してみます。
◆温かいパスタと冷製パスタの違い
両者の違いを簡単に見てみましょう。温かいパスタの場合は、
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●温かいパスタを食べる⇒胃でほぼ全てが吸収される(デンプン)⇒腸に良い成分があまり残らない
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しかし、冷製パスタの場合は、
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●冷製パスタを食べる⇒胃で吸収されない成分が多い(レジスタントスターチ)⇒その成分に整腸作用あり
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このように、パスタを一度冷やすことで腸に良い効果が期待できるのです。
実際に、冷やしたパスタのレジスタントスターチでは次の3つの効果が実証されています。(※1)
1. 腸内環境を改善する効果
2. コレステロールを下げる効果
3. 中性脂肪を減らす効果(血液中にある脂肪)
どこにでもあるパスタを冷やすだけで、このような効果があるのは嬉しいですよね。でも、冷製パスタってどんなレシピがあるんだろう……? と思われるかもしれませんが、オススメの作り方もご紹介しますのでご安心ください。
でも、その前に、ダイエット効果についてもう少し詳しく見ていきましょう。
◆冷製パスタがダイエットに効果的な2つの理由
腸内環境を整える効果だけでも嬉しい冷製パスタですが、実はダイエットにも効果的なのです。1つ目の理由は、上記でもお伝えした「中性脂肪を減らす効果」があるから。中性脂肪とは、血液中にある脂肪のことです。
お腹をさわるとぷよぷよ……という時は、「皮下脂肪」が溜まっている合図。実は、中性脂肪が増えすぎると、皮下脂肪も一緒に溜め込まれてしまうのです。
また、ダイエットに効果的な2つ目の理由は、冷製パスタの方が温かいパスタよりもカロリーが低くなるから。
なんで冷やすだけでカロリーが低くなるの…?と疑問に思われるかもしれませんが、これもレジスタントスターチが関係しています。レジスタントスターチ(冷製パスタ)は、通常のデンプン(温かいパスタ)よりカロリーが低いことが分かっているのです。(※2)
簡単にまとめると、冷製パスタがダイエットにも良い理由は「中性脂肪を減らす効果」「カロリーが低くなる」この2つの相乗効果があるから。パスタを冷やすだけで腸内環境を整えてくれて、さらにダイエットにも良いなんて、最高ですよね。
◆おすすめの冷製パスタの食べ方と具材
ここまで、冷製パスタの腸活&ダイエット効果について解説しました。ここからは、そんな冷製パスタの中でも特におすすめの食べ方や、具材を3つご紹介したいと思います。身近な食材で作れるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
◆おすすめ冷製パスタ①ツナとオクラの冷製パスタ
<材料>(1人分)
パスタ:100g(カッペリーニなど、細めのパスタがオススメです)
オクラ:3~5本
ツナ:1/2缶
なめたけ:大さじ2
☆オリーブオイル:大さじ1
☆しょうゆ:大さじ1/2
☆お酢:大さじ1/2
☆塩こしょう:少々
<作り方>
①オクラはヘタをとり、小口切りにする。
②パスタを袋の表示通りにゆでたら、冷水にさらして水気をよく切る。
③ボウルに☆の調味料と①のオクラ、②のパスタを入れてしっかり混ぜたら完成!
◆おすすめ冷製パスタ②アボカドとベーコンの冷製パスタ
<材料>(1人分)
パスタ:100g(カッペリーニなど、細めのパスタがオススメです)
ベーコン(または生ハムで作っても美味しい):20g
アボカド:1/2個
☆にんにくおろし:1/2片分
☆オリーブオイル:大さじ1
☆塩:小さじ1/3
☆こしょう:少々
☆レモン汁:大さじ1/2
☆牛乳:大さじ3
<作り方>
①アボカドは皮をむき、ボウルに入れてフォークなどで軽くつぶす。(少し形が残るくらい)
②パスタを袋の表示通りにゆでたら、冷水にさらして水気をキッチンペーパーで吸いとる。
③①のボウルに☆調味料を入れて混ぜたら、パスタも入れて和え、最後にベーコン(or生ハム)をのせたら完成!
◆おすすめ冷製パスタ③冷たい納豆パスタ
<材料>(1人分)
パスタ:100g(カッペリーニなど、細めのパスタがオススメです)
納豆:1パック
卵:1個
☆めんつゆ:15cc
☆オリーブオイル:大さじ1
☆大葉、刻み海苔など:お好みで
<作り方>
①卵の卵黄と卵白を分けたら、卵白の方にめんつゆと納豆を入れて混ぜる。
②パスタを袋の表示通りにゆでたら、冷水にさらして水気を軽く切る。
③①にパスタをオリーブオイルを入れてしっかり混ぜる。(よく混ぜるとフワフワになります)
④器に盛り付けたら、薬味と卵黄を乗せて完成!
◆パスタでも工夫次第で腸活できる!
パスタの腸活&ダイエット効果、いかがだったでしょうか? パスタは色々な食べ方ができると思いますが、ぜひ冷製パスタにもチャレンジしてみてくださいね。
ご紹介した中でも特にオススメなのは、ツナとオクラの冷製パスタです。さっぱりしていて、ついつい食べ過ぎてしまうのですが……。
パスタを美味しく食べながら、腸内環境も整えましょう!
出典(※1)海老原 清「レジスタントスターチの栄養・生理機能」(2014)
(※2)日本食品分析センター「食物繊維の熱量(エネルギー)について」(2003)
<文/腸活の研究家ざっきー>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii