古寺の多い鎌倉は、鮮やかな赤色をした紅葉がとてもよく似合います。紅葉を楽しめるスポットももちろん多くありますが、この記事では、よく知られている紅葉の名所から、穴場の紅葉スポットまで、厳選した8スポットをご紹介。あじさいの季節ほどの混雑はみられないため、比較的ゆっくりと紅葉を楽しむことができますよ。
【1】円覚寺
北鎌倉を代表する紅葉の名所といえば、円覚寺です。北鎌倉駅を降りてすぐの場所にあり、鎌倉時代に幕府が制定した代表的な禅寺「鎌倉五山」の第2位に位置付けられた立派なお寺で、夏目漱石の『門』や川端康成の『千羽鶴』など多くの文学作品の舞台になっています。禅寺の凛とした雰囲気が魅力で、境内に足を踏み入れると身が引き締まるよう。
紅葉が見頃をむかえる11月下旬から12月下旬にかけては多くの参拝客が訪れますが、境内が広いため、大混雑というほどではありません。紅葉は境内のさまざまな場所で楽しむことができます。とくに山門や居土林、妙香池あたりの紅葉が素晴らしく、また續橙庵の前のイチョウ並木も見事です。
【2】長谷寺
鎌倉でも有数の景勝地として知らる長谷寺は、見晴台からは長谷の街並や由比ヶ浜、とおくに三浦半島まで見渡す絶景を楽しむことができます。また初夏には「あじさいの径」となる眺望散策路の上段からも、由比ヶ浜を眺めることができます。
鎌倉で唯一、紅葉のライトアップを行っているのが、長谷寺です。ライトアップは例年11月下旬から12月上旬にかけて行われ、この期間は閉山時間を延長。ライトが点灯される夕暮れ時から混み始めるため、明るいうちから訪れて、うつりゆく様を楽しむのがオススメです。
【3】明月院
『ミシュラン・グリーンガイド』で「寄り道する価値がある」を意昧する二つ星の評価を得た、北鎌倉にある明月院。本堂にある円窓(悟りの窓)から眺める後庭園の美しさがよく知られており、上のような写真を一度は目にしたことがある方も多いかもしれませんね。特に紅葉の季節は人気で、撮影の順番待ちができるほど。
後庭園は、紅葉の時期とハナショウブの時期(例年6月初旬から中旬)のみ特別に公開されます。別途拝観料が必要ですが、価値ある広い庭園なので、ぜひ一度は訪れてみて。
【4】瑞泉寺
鎌倉で一番遅く紅葉が楽しめると言われている、瑞泉寺。その他の寺院に比べてアクセスがよくないため、紅葉の時期でも混むことはなく、ゆっくりと楽しむことができます。とくに山門付近の紅葉は見事。瑞泉寺のカエデは大木のため、より一層豪快な紅葉が、目を楽しませてくれます。瑞泉寺の辺り一帯は「紅葉ヶ谷」と呼ばれており、周辺の紅葉が織りなす風景も見逃せません。
【5】海蔵寺
海蔵寺は四季を通じて花が絶えない「花の寺」として有名です。同時に鎌倉でもいわれのある井戸を有し、「水の寺」としても人気があります。
先に紹介した、鎌倉で一番遅く紅葉が楽しめる瑞泉寺に対して、鎌倉で一番早く紅葉を楽しめると言われるのが海蔵寺で、例年10月下旬ごろから色づきはじめます。見頃を迎えるのは例年11月中旬から12月上旬にかけて。門前の紅葉のトンネルも見事ですが、境内の赤い和傘や鐘楼越しにみる紅葉なとても風情がありますよ。
鎌倉駅から歩いて行ける距離ではありますが、小さな寺院のため混み合うことはほとんどなく、また拝観料が無料なのも嬉しいですね。