貯める&備える
2018/12/17

高齢者が働くと「収入」以外にこれだけのメリットがある

(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
 (本記事は、長尾義弘氏の著書『老後資金は貯めるな!』、河出書房新社、2018年12月5日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『老後資金は貯めるな!』シリーズ】
(1)「年金制度は崩壊する」はウソ?簡単には崩壊しないワケ
(2)「一生もらえる」年金のスゴイしくみをきちんと理解しよう
(3)なぜ年金の「繰り下げ受給」は「全額もらえない」のか
(4)再雇用で働くと「年金がさらに充実する」のはなぜなのか
(5)高齢者が働くと「収入」以外にこれだけのメリットがある

※以下、書籍より抜粋

70歳まで働くさまざまなメリットとは

60歳で定年退職をし、65歳まで再雇用で働くスタイルが一般的だと思います。

しかし、65歳や70歳を定年にする会社も出てきました。

政府の「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」でも、70歳定年という議論がなされています。

老後資金が不足している人にとって、長く働くことは最善の策です。

在職老齢年金の支給停止というデメリットがあるとはいえ、働くことはさまざまなメリットを生みます。

給与を得られることは最大のポイントですし、生きがいにもつながります。

それに、将来に受け取る年金額を増やせる点は、大きなメリットです。

厚生年金は、定額部分と報酬比例部分に分かれています。

定額部分は国民年金から支給される年金の呼称で、つまり国民年金と同じです。

報酬比例部分が厚生年金に当たります。

厚生年金加入者は、両方の年金に入って掛金を払っています。

掛金は会社と自分で50%ずつを負担します。

健康保険の保険料も同じように折半です。

年金の受給額は60歳で一度計算されますが、その後も厚生年金を払いながら働くと、受給額は再計算されます。

厚生年金は70歳まで加入できます。

ところが、国民年金は原則60歳までしか加入できません。

つまり、60歳以降に支払った保険料は基礎年金に反映されないのです。

では、払い損かといえば、そうではありません。

厚生年金の経過的加算に反映されます。

経過的加算とは、厚生年金のプラスアルファの部分です(上限は国民年金と同じ40年)。

60歳以降の基礎年金相当額は、この経過的加算として厚生年金から支払われます。

じつにややこしいのですが、長く働いた分、将来の年金額はアップするというわけです。

それが一生涯続くので、老後生活にとって心強い味方となるでしょう。

60歳以降も働くと年金はどう増える?

厚生年金に加入しながら働くと年金が増えるといっても、どのくらい増えるのかは気になるところでしょう。

ざっくりとですが、上乗せされる分はつぎの式でわかります。

厚生年金は、年収の12分の1(平均月収)×0.005481×加入期間。

たとえば、平均月収20万円で60歳から65歳まで働いたとすると、20万円×0.005481×60か月=6万5772円です。

加入期間が40年間に満たない場合は、これに国民年金のかわりになる経過的加算がプラスされます(1625円は平成30年度の参考にした額)。

1625円×60か月=9万7500円
 
65歳の年金は、この厚生年金と経過的加算の分が増えます。

6万5772円+9万7500円=16万3272円

つまり、16万3272円上乗せされた金額を、一生涯受け取ることができます。

この数字はあくまでも簡易な計算ですので、正確な金額は、年金事務所などにご相談ください。

厚生年金保険料を払いながら仕事を続けると、受け取る年金の一部または全額が停止になる場合もあります。

しかし、長い目で見れば収入はアップしますし、65歳から受け取る年金額も増えることになります。

できるだけ長く働いたほうが、ゆとりある老後を送れるのです。

また、70歳まではこれと同じ計算で年金を増やすことができます。
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