雇用保険の大きな恩恵とは
働くという選択は収入を得るという以外にも、メリットがあります。
企業で働くことによって、雇用保険に加入できるのです。
雇用保険に加入している間は、当然ながら保険料を払います。
「この年になって、まだ保険料を払わなければならないのか」などと、うんざりしないでくださいね。
雇用保険の保険料は年齢にかかわらず、賃金の0.3~0.4%です。
月給が20万円だとすると、およそ600円です。
この程度なら、さほど負担にはならないでしょう。
それに、保険料を払っている分、得られる恩恵もまた大きいといえます。
雇用保険から出るものは、会社をやめたときに受ける失業等給付(いわゆる失業保険)だけではありません。
とくに、高齢者には手厚い保障が用意されています。
60歳以降、かなり賃金が下がったら、なんと賃金の15%をフォローしてもらえます。
それが「高年齢雇用継続給付金」または「高年齢再就職給付金」制度です。
「高年齢雇用継続給付金」は定年退職後、そのまま継続して働いている人が対象です。
60歳前より賃金が75%未満に下がれば、最高で賃金の15%が雇用保険から補償されます。
これが65歳になるまで、5年間にわたって続きます。
「高年齢再就職給付金」は、定年退職後に一度仕事を離れたものの、失業保険の支給残日数を100日以上残して再就職した人が対象になります。
再就職先の賃金が前の会社の75%未満であれば、新しい賃金の15%の額が支給されます。
なんともうれしい制度ではありませんか。
この制度が使える人は活用しないと損ですね。
長尾義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。お金のしくみ、保険のカラクリについての得する情報を発信している。1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書には『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』(小社刊)、『コワ~い保険の話』(宝島社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)が、監修には別冊宝島の年度版シリーズ『生命保険 実名ランキング』(宝島社)などがある。
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