女性への差別は日常に潜んでいる。
でも、それを認めるのはとてもつらい

「女はバカ」「産めない人は生産性がない」おかしいことに、おかしいと言おう。それだけで世界は変わる
(画像=『Woman type』より引用)

女性の場合、社会的な立場としてマイノリティです。杉田議員の発言がくすぶっている時に東京医科大学の入試における点数操作の件が明るみになり、自分たちの周囲にある差別や偏見に気付いた人も少なくないと思います。女性への差別はまだまだ日常に潜んでいる。社会の課題として見た時に、明らかに差別はあります。

未だに「女性は男性よりも頭が悪い」と言われるような地域もあります。地方都市出身の私の友人は、小さいころから「あなたは(女で)バカなんだから」と言われ続けてきたそうです。それがいかにおかしいことなのか、彼女を説得するのには相当の時間がかかりました。小さいころから染み付いている呪詛を解くことは難しいし、そもそも気付くことができない。そして知らず知らずのうちに自分の可能性に蓋をしてしまうんです。

女性は表向きには平等だと言われていますから、自分が差別されていることを認めたくない人も少なくないと思います。特に頑張っている女性の中には、もしかしたら男性以上に頑張って、見えないハンデを乗り越えてきた人もいるかもしれない。苦しい道を歩んできた分、差別がある現状を認めるのは本当につらいこと。多くの人が目をつぶって、差別や偏見に我慢をしてしまっているのではないでしょうか。

差別や偏見に一度目を向けると、人生はつらくはなります。だから、当事者がその現状を直視できないのは仕方がないとも思います。だからこそ、当事者以外の人にも「一緒に差別や偏見をなくしていこうよ」と言ってほしい。東京医科大の件だって、男性が下駄を履かされていたことが明るみに出てきたわけですから、「バカにするな」って男性たちも怒っていいはずです。男女で対立していても、溝が深まるばかりで意味がありません。

差別や偏見をなくすために私たちができること

「女はバカ」「産めない人は生産性がない」おかしいことに、おかしいと言おう。それだけで世界は変わる
(画像=『Woman type』より引用)

東京医科大の点数操作も杉田議員の発言も、本当にあり得ない、ひどいことです。でもこうした事象をなくすためには、まずは私たちが差別や偏見に気付くことが必要。そういう意味では、こういった状況が明るみに出たことは、社会にとって大きなチャンスとも言えます。

差別や偏見をなくすために大切なことは3つあると思っています。一つは、ニュースに関心を持つこと。一人一人が世の中で起きていることに関心を持たなければ、流されてしまう一方です。特に政治を避けてしまうと、今の社会で立場の強い人の都合が良いように国が動いていってしまう。マイノリティの声が届くことはなくなってしまいます。気付いたころには恐ろしい独裁国家になっていた、なんてことにもなりかねません。

二つ目は、日常生活の中で「何かおかしいかも」と思った違和感や、何だか直視したくないと感じる出来事を見逃さないこと。例え当たり前とされていることであっても疑ってみてください。私自身はレズビアンで、「嫌だな」「おかしいな」と感じることが若いころからたくさんありました。そうした経験を経て、社会で常識とされていることを疑う目を養ってきたと思います。

その上で、「なぜこういうことになっているのか」と、構造の部分に注目すること。例えば杉田議員の発言も、発言そのものだけに目を向けて「LGBTカップルが子どもを作らないのは事実だから、こういう意見があっても仕方がない」と思う人もいるかもしれない。でも、その発言の構造に目を向ければ、「子どもを産む・産まないで人の価値を決めるのは危険な思想だ」と考えられるはずです。

そして三つ目は、「何か変かも」と思った違和感について、発信すること。SNSでもいいし、仲のいい友達に話してみるだけでもいいと思います。口に出さないだけで、同じようなことを考えている人はきっといる。日本では「差別」や「人権」は強い言葉とされてしまいがちですが、そんな空気自体がおかしいと私は思います。繰り返しますが、「平等」は憲法の中で保障されていて、差別をしないことは本来当たり前の思想です。

主体的に社会と関わるには漫然と生きているだけでは難しいものです。でも、そうやって小さな行動を皆で重ねていけば、きっと何かが変わっていくんじゃないか。そう私は信じています。


提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)

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