この記事は折戸裕子氏の著書『女性リーダーのための!感情マネジメントスキル』(すばる舎)の内容を抜粋したものになります。
『感情マネジメントスキル』シリーズ
(1)女はヒステリー?その原因は実は「感情」ではなかった
(2)感情をマネジメントする具体的な8つのステップとは?
(3)上司は支配者ではない 良い人間関係を築く心構えとは?
(4)もしかして嫌がらせ?クセのある上司への「的確な」対処法とは
※以下、書籍より抜粋
上司との関係
圧のクセがすごい上司『もしかして、嫌がらせ?』
圧が強めの上司は確実にいます。見た目の迫力のまま圧しかかってくるタイプもいれば、普段は物腰の柔らかい優しいオジサン風なのに、仕事に関しては妙に圧のスイッチが入る人もいます。リーダーの自分がやることなすこと、そのほとんどに圧力がかかることほど、やりづらいことはないですよね。
- 新しい提案をしても、なぜか不機嫌になり本当にできるのかと追求される
- 他部署との調整を頼んでも、仕方ない的な「してあげる空気」を出される
- チームの取り組みを報告しても、どうでもよさそうな部分をチクチク指摘される
承認をもらいにいくと苛立ち気味になり、また一から説明させられる などなど、本来自分たちに協力的な立場であるはずの上司なのに、理不尽なくらい、高圧的、攻撃的な態度で、何をするにもまず「否定姿勢」だと、さすがにへこみますよね。
他の部署でうまくやっているリーダーがうらやましく思えるし、「この上司は私じゃなかったら態度が違うのでは?」「もしかして私への嫌がらせ?」なんて勘ぐりにもつながります。
「上司は包容してくれる存在」という理想
高圧的な人に傷ついても、自分の上司であるからには避けて通ることはできません。ほとんどの人は自分を奮い立たせて頑張っているでしょう。そして、普通に接してまた傷ついたりもするのです。
『私がへこんだら満足するのかしら?』という思いが頭をよぎるものの、変に自分を落としたくないし、そもそも理不尽な対応をしているのは上司のほうなのだから、自分は毅然としているべきだ。そんな風に思っているのではないでしょうか。
確かに、そう考えるのは筋が通っています。ただ、一つ思い返してみてください。「上司というのは、協力的であるべき」という思い込みに振り回されていないでしょうか。無意識に捉えている「上司像」が邪魔をして、相手の本来の気持ちや感情を見えづらくしているのかもしれません。
実はただの「テンパり上司」かも!?
たとえば、部下の不機嫌な態度やおかしな様子に出くわしたら、イライラはしつつも『何があったのかな』と寄り添うでしょう。
ところが相手が上司となると、『つらく当たられる意味がわかんない』と自分向きの意識が働きます。これは「上司は自分たちを受け止めるべき存在」が前提になっているためで、それが成立しないと相手への不満になるのです。
ここで、思い切ってこの前提を外してみましょう。すると、割と冷静に、そのときの上司の言動が意味することを理解できたりします。
上司という概念を抜きに相手を観察してみると、実はテンパっていることが多いものです。理不尽に思えた振る舞いの数々は、自分の許容範囲を超えた要求(部下であるリーダーにとっては当然の処理であっても)に、ドギマギしている裏返しだったりします。「自分に聞かないでくれ」オーラが圧に見えているのかもしれません。
- 新しい提案が失敗したら負わされる責任のコワさ
- 他部署との調整が苦手なのにやらなきゃいけないシンドさ
- チームの取り組みを実務的に理解できるのは指摘できる部分だけ
承認段階まで来ているのに案件のキモを忘れてしまった焦り などなど、同じ「出来事」でも、視点を変えるとずいぶんと事情が違います。
また、ここで示した例以外にも、もっと単純なテンパり上司と言えば、トラブルが起こると人(部下)のせいにして畳みかけるとか、質問にイライラしながら答えるとか、何かと「後にしてくれる?」と突き返すとか、無意識のうちにバリアを張っている動きってありますよね。なんだ、結構日常的なことなんだなと思えませんか。
であれば、やりようを工夫すればよいだけのことです。
日頃からコミュニケーションをとって、案件やチームの取り組みを小出しにインプットしたり、部署をまたがったりする調整は、リーダーレベルでお膳立てをして上司の顔を立てる。新規案件は相手が納得できる情報を集める。ちょっとした工夫で、劇的に変わることもあるのです。
上司も、一人の人間です。リーダーやチームを丸ごと受け止めるのが難しい人も中にはいて、拒絶が圧となって返ってきている場合もあるのです。
折戸裕子(おりと・ゆうこ)
株式会社カレントリンクス代表、リーダーシップ戦略コンサルタント。中央大学法学部卒業後、大手金融会社法人営業、NTTドコモ、ドコモCSを経て独立。人を惹きつけるリーダーシップ論、改善改革を推進する企画力、人が活躍する仕組み作りに定評がある。企業や行政等に向けた講演活動の他、企業、団体の機関誌における「リーダー企画」の監修や人材育成アセスメント支援、研修開発実施支援を行うほか、メディア出演等、活動の幅を広げている。
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