都会は通勤時間が長く、立ちっぱなしの電車通勤は過酷です。地方に移住すれば通勤が楽になるかな…? 車通勤のほうが通勤時間が短い?日々の通勤地獄から解放されたいあなたのために、通勤の平均時間や、通勤手段を、都道府県別ランキングにして紹介します。
地方に移住すれば、通勤が楽になる?
都心での通勤は、満員電車、長時間通勤というパターンが思い浮かびますよね。総務省統計局による調査で、1日あたりの通勤時間は全国平均で1時間19分というデータが出ています。片道あたり40分程度ということですね。地方で暮らせば、通勤時間が少なくなり通勤は楽になるのでしょうか。徒歩や自家用車での通勤も多くなるのでしょうか。都道府県別の通勤時間や通勤手段から、都心と地方の通勤事情について探ってみましょう。
通勤が長い都道府県は?平均通勤時間ランキング
通勤地獄とも称されることがある長時間の通勤。毎日のように電車で立ちっぱなしという人も少なくないでしょう。通勤に要する時間は、多くの勤め先が集中する東京近郊が長くなるイメージがありますが、実際のところはどうでしょうか。都道府県別、市区町村別にランキングをまとめました。
通勤時間の都道府県別ランキング
順位 | 都道府県 | 片道の平均通勤時間 | 順位 | 都道府県 | 片道の平均通勤時間 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 神奈川県 | 48分 | 25 | 長崎県 | 22.1分 |
2 | 千葉県 | 46分 | 26 | 山梨県 | 21.9分 |
3 | 東京都 | 44分 | 27 | 香川県 | 21.6分 |
4 | 埼玉県 | 44分 | 28 | 石川県 | 21.4分 |
5 | 奈良県 | 41分 | 29 | 福島県 | 21.2分 |
6 | 大阪府 | 36分 | 30 | 熊本県 | 21.2分 |
7 | 兵庫県 | 35分 | 31 | 長野県 | 20.9分 |
8 | 京都府 | 29分 | 32 | 佐賀県 | 20.8分 |
9 | 愛知県 | 28分 | 33 | 大分県 | 20.5分 |
10 | 宮城県 | 27分 | 34 | 新潟県 | 20.3分 |
11 | 福岡県 | 27分 | 35 | 山口県 | 20.3分 |
12 | 滋賀県 | 26分 | 36 | 北海道 | 20.2分 |
13 | 茨城県 | 26分 | 37 | 青森県 | 20.2分 |
14 | 広島県 | 25分 | 38 | 岩手県 | 20分 |
15 | 三重県 | 24分 | 39 | 福井県 | 20分 |
16 | 岡山県 | 23.9分 | 40 | 高知県 | 19.7分 |
17 | 栃木県 | 23.7分 | 41 | 秋田県 | 19.5分 |
18 | 岐阜県 | 23.5分 | 42 | 山形県 | 19.5分 |
19 | 群馬県 | 23.1分 | 43 | 鹿児島県 | 18.9分 |
20 | 和歌山県 | 22.7分 | 44 | 愛媛県 | 18.7分 |
21 | 静岡県 | 22.6分 | 45 | 鳥取県 | 18.3分 |
22 | 沖縄県 | 22.4分 | 46 | 島根県 | 18.3分 |
23 | 徳島県 | 22.3分 | 47 | 宮崎県 | 17.7分 |
24 | 富山県 | 22.2分 |
総務省統計局のデータから片道あたりの通勤時間を算出し、都道府県別のランキングにしました。
上記の表を見ると、神奈川県の48.0分を筆頭として、上位4位までを東京都とその近郊の県が占めていることがわかります。また、5位から8位は大阪府周辺で同様のパターン、愛知県も9位と比較的上位になりました。経済活動の中心となる3大都市圏で、ベッドタウンから職場へ時間をかけて通勤している傾向が見てとれます。
一方で、8位の京都府以下の40道府県はいずれも片道の通勤時間平均が30分を切っています。つまり全国の8割程度の地域では、片道の通勤時間が30分以下で済んでいるといえます。通勤時間が最も短いのは宮崎県の17.7分でした。
神奈川県・千葉県の通勤時間が長いのはなぜ?通勤時間の市区町村別ランキング
順位 | 都道府県・市区町村 | 片道の平均通勤時間 |
---|---|---|
1 | 神奈川県葉山市 | 65.7分 |
2 | 神奈川県逗子市 | 61分 |
3 | 大阪府豊能市 | 61分 |
4 | 千葉県印西市 | 60 |
5 | 千葉県我孫子市 | 60分 |
6 | 東京都町田市 | 58分 |
7 | 千葉県白井市 | 57分 |
8 | 神奈川県鎌倉市 | 56分 |
9 | 千葉県流山市 | 56分 |
10 | 東京都清瀬市 | 56分 |
11 | 兵庫県猪名川町 | 56分 |
12 | 千葉県柏市 | 55分 |
13 | 東京都西東京市 | 55分 |
14 | 東京都小金井市 | 55分 |
15 | 東京都稲城市 | 55分 |
16 | 東京都国分寺市 | 54.7分 |
17 | 千葉県松戸市 | 54.3分 |
18 | 東京都多摩市 | 54.1分 |
19 | 兵庫県三田市 | 54分 |
20 | 千葉県鎌ヶ谷市 | 53.9分 |
21 | 千葉県船橋市 | 53.7分 |
22 | 埼玉県志木市 | 53.7分 |
23 | 東京都国立市 | 53.4分 |
24 | 千葉県習志野市 | 53.3分 |
25 | 東京都東久留米市 | 53分 |
上記の表は、市区町村別の片道の通勤時間をランキングにしたものです。都道府県別で神奈川県や千葉県が比較的上位に入っている事情をもう少し詳しく読み解くことができます。
1位の葉山市、2位の逗子市は神奈川県で人気の湘南エリアの都市です。いずれも通勤時間は1時間を超え、平均を引き上げていることがうかがえます。同じエリアの鎌倉市も8位で56.4分と神奈川県の平均を大きく上回ります。これらの地域は都心から距離はありますが、東海道線・横須賀線・湘南新宿ラインなどのJR線、そして京急線といった、乗り換えなしに東京都心にアクセスできる路線が通っています。電車1本で都心に通勤できるため、乗車時間が多少かさむことは許容されているのかもしれません。
前項の都道府県別ランキングで2位の千葉県についても、市区町村別の結果から同様の傾向が見られました。都内の路線から直通する京成線が通る印西市・白井市、上野新宿ラインによりアクセスが向上した我孫子市・柏市、つくばエクスプレスで秋葉原まで電車1本の流山市といったベッドタウンが上位を占めます。
東京都内では、町田市・清瀬市などの多摩地域の自治体が上位に来ています。