地方は、新鮮でおいしい食材の宝庫。地方の方が食材が安いイメージがありますが、食費が抑えられるのでしょうか? 肉、魚、野菜が安い都市は? 食費や、肉、魚、野菜が安い都市などをランキングで紹介します。

地方の食費は安い?

旅行などで地方に行った際に安くておいしいグルメに出会うと、幸せを感じて「このまま移住したい!」という気持ちになることはありませんか?しかし、実際に移住するとなるとどうなのでしょう。地方の方がお肉や野菜が安いイメージがありますが、地方移住すれば食費を抑えられて生活が楽になるのでしょうか?そこで、実際の食費にかかる平均額や肉、魚、野菜が安い都市をランキング形式でご紹介します。また、外食が少ない都市も調べたので、移住を検討している地域がどうなのか参考にしてみてくださいね。

食費が高い都市は?

例えば道の駅に売っている野菜など、都会で買うより安いと思ったことがある人は多いはずです。実際、流通コストがそれほどかからないため、野菜や肉などの販売価格は名産地のほうが安く買うことができます。単純に考えると食費は都会のほうが高くなることが予想できますが、実際はどうなのでしょうか。1ヶ月の食費平均額と、家計の消費支出に占める飲食費の割合である「エンゲル係数(%)」を都市別にみていきましょう。

食費ランキング

1ヶ月の食費支出額は都市によってどう違うのでしょうか。この食費平均額は自炊する場合だけではなく、外食費も含まれている金額になります。

1ヶ月の食費ランキング

順位 都市 1ヶ月の食費平均額 順位 都市 1ヶ月の食費平均額
1 沖縄県 那覇市 61,599円 25 福岡県 福岡市 74,024円
2 大分県 大分市 62,719円 26 京都府 京都市 74,071円
3 和歌山県 和歌山市 65,239円 27 三重県 津市 74,195円
4 宮崎県 宮崎市 65,441円 28 長野県 長野市 74,505円
5 愛媛県 松山市 65,533円 29 兵庫県 神戸市 74,775円
6 青森県 青森市 66,593円 30 新潟県 新潟市 75,753円
7 島根県 松江市 66,834円 31 岩手県 盛岡市 75,776円
8 長崎県 長崎市 68,686円 32 愛知県 名古屋市 75,820円
9 香川県 高松市 68,727円 33 栃木県 宇都宮市 76,015円
10 熊本県 熊本市 68,871円 34 奈良県 奈良市 76,536円
11 秋田県 秋田市 69,080円 35 福井県 福井市 76,582円
12 徳島県 徳島市 69,212円 36 大阪府 大阪市 76,693円
13 佐賀県 佐賀市 70,713円 37 広島県 広島市 76,752円
14 茨城県 水戸市 71,054円 38 山形県 山形市 77,343円
15 鹿児島県 鹿児島市 71,660円 39 静岡県 静岡市 77,574円
16 山梨県 甲府市 72,356円 40 千葉県 千葉市 77,778円
17 福島県 福島市 72,397円 41 宮城県 仙台市 77,920円
18 鳥取県 鳥取市 72,470円 42 富山県 富山市 78,375円
19 群馬県 前橋市 72,610円 43 滋賀県 大津市 79,385円
20 北海道 札幌市 72,912円 44 神奈川県 横浜市 82,908円
21 岐阜県 岐阜市 73,422円 45 埼玉県 さいたま市 85,210円
22 山口県 山口市 73,467円 46 石川県 金沢市 87124円
23 岡山県 岡山市 73,890円 47 東京都23区 89,185円
24 高知県 高知市 74,006円 全国平均 75,258円

総務省家計調査2019年より※1

1ヶ月の食費支出額の全国平均は75,258円で、一番安いのは沖縄県那覇市でした。一方、最下位は東京23区という結果に。これは、都会での食材生産率が低いことと、都会に住む人の方が外食が多いためでしょう。ランキング1位の沖縄県那覇市と最下位の東京23区とでは、1ヶ月で約28,000円もの差があります。那覇市に住んでいる人は、23区内に住んでいる人よりも28,000円程の金額を食費以外に使えているということになりますね。

エンゲル係数ランキング

エンゲル係数とは、1世帯ごとの家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のことです。要は、家計の支出のうちどのくらい食費にかけているのかということです。エンゲル係数は「食費÷消費支出×100」で求められ、パーセントの値が低いほど生活にゆとりがあると考えられます。では、早速ランキングをみていきましょう。

エンゲル係数ランキング

順位 都市 エンゲル係数 順位 都市 エンゲル係数
1 香川県 高松市 22.30% 25 富山県 富山市 25.50%
2 長野県 長野市 23.70% 25 栃木県 宇都宮市 25.50%
3 熊本県 熊本市 23.80% 27 岐阜県 岐阜市 25.60%
3 三重県 津市 23.80% 28 岩手県 盛岡市 25.70%
5 佐賀県 佐賀市 24.00% 28 新潟県 新潟市 25.70%
5 山口県 山口市 24.00% 30 鳥取県 鳥取市 25.80%
7 岡山県 岡山市 24.10% 30 愛媛県 松山市 25.80%
8 島根県 松江市 24.20% 32 滋賀県 大津市 26.20%
8 山梨県 甲府市 24.20% 32 福島県 福島市 26.20%
10 奈良県 奈良市 24.30% 34 秋田県 秋田市 26.40%
11 高知県 高知市 24.50% 34 愛知県 名古屋市 26.40%
11 石川県 金沢市 24.50% 36 福井県 福井市 26.70%
13 北海道 札幌市 24.70% 37 東京都23区 26.80%
13 福岡県 福岡市 24.70% 38 和歌山県 和歌山市 26.90%
15 茨城県 水戸市 24.80% 39 神奈川県 横浜市 27.00%
15 徳島県 徳島市 24.80% 40 群馬県 前橋市 27.10%
17 宮崎県 宮崎市 24.90% 41 青森県 青森市 27.30%
17 広島県 広島市 24.90% 42 兵庫県 神戸市 27.60%
19 鹿児島県 鹿児島市 25.10% 42 静岡県 静岡市 27.60%
20 大分県 大分市 25.20% 44 宮城県 仙台市 28.20%
21 埼玉県 さいたま市 25.30% 45 大阪府 大阪市 28.40%
21 長崎県 長崎市 25.30% 46 京都府 京都市 28.70%
21 山形県 山形市 25.30% 47 沖縄県 那覇市 29.30%
24 千葉県 千葉市 25.40%

総務省家計調査2019年より算出※1

家庭の支出のうち、何%が食費に占められているのかを示す数値をエンゲル係数と言います。エンゲル係数の日本の平均的な数値は、2018年の総務省のデータによると約25%です。日本でエンゲル係数が一番高いのは、食費平均額が一番安い沖縄県那覇市で29.30%。逆に、一番低いのは香川県高松市の22.3%で、その差は7%でした。食費平均額の1位と最下位の差は2万8000円でしたが、それに比べればあまり大きな開きはありません。これは、それぞれの身の丈に合った食生活をしているということが考えられます。つまり、エンゲル係数の平均値が低い地方に移住したとしても、生活が大きく楽になるというわけではなさそうですね。

肉が安い都市は?

次に、私たちの食卓に欠かせない肉の消費支出額の単価をみていきましょう。

肉の平均単価ランキング

順位 都市 平均単価 順位 都市 平均単価
1 北海道 札幌市 117円 25 山形県 山形市 149円
2 新潟県 新潟市 123円 26 山口県 山口市 150円
3 沖縄県 那覇市 124円 27 福岡県 福岡市 150円
4 島根県 松江市 125円 28 愛媛県 松山市 150円
5 岩手県 盛岡市 129円 29 愛知県 名古屋市 151円
6 福島県 福島市 130円 30 宮崎県 宮崎市 151円
7 秋田県 秋田市 130円 31 神奈川県 横浜市 152円
8 群馬県 前橋市 132円 32 栃木県 宇都宮市 152円
9 茨城県 水戸市 132円 33 長崎県 長崎市 153円
10 青森県 青森市 133円 34 三重県 津市 156円
11 熊本県 熊本市 134円 35 広島県 広島市 156円
12 岡山県 岡山市 134円 36 佐賀県 佐賀市 157円
13 鳥取県 鳥取市 139円 37 兵庫県 神戸市 159円
14 静岡県 静岡市 141円 38 奈良県 奈良市 163円
15 長野県 長野市 142円 39 大阪府 大阪市 164円
16 千葉県 千葉市 142円 40 福井県 福井市 166円
17 石川県 金沢市 142円 41 和歌山県 和歌山市 167円
18 埼玉県 さいたま市 142円 42 富山県 富山市 167円
19 宮城県 仙台市 144円 43 東京都23区 167円
20 香川県 高松市 144円 44 鹿児島県 鹿児島市 168円
21 山梨県 甲府市 145円 45 徳島県 徳島市 168円
22 高知県 高知市 146円 46 滋賀県 大津市 185円
23 大分県 大分市 146円 47 京都府 京都市 191円
24 岐阜県 岐阜市 147円

総務省家計調査2019年より※2

お肉の消費支出額が1番安いのが、肉牛生産高1位の北海道です。東北や沖縄など、同生産高が高い都市が上位にきていることがわかります。やはり、流通コストがかからない方が販売単価が安く、消費傾向にあるようです。ただし、松阪牛で有名な三重県や、神戸牛が有名な兵庫県などは順位が低いことから、ブランド牛や希少品種に関しては、残念ながら生産地であっても販売単価が安くなるということはあまりなさそうです。