「これはしたくない!」より、「もっとこうしたい」を上司に伝えて

そうして復帰を遂げた私ですが、今、もし仕事で苦しい状況にある人たちのために、そこからどんなふうに働き方を変えていったかということを、もう少しだけお話しさせてください。

私は、自分の手の内が及ばないところで物事が進む状況に弱いということは重々理解できていたので、復帰後はまず上司に、目指す営業スタイルと、自分のパフォーマンスが発揮しやすいような仕事の進め方について提案し、相談させてもらいました。自分と向き合った時間で、自分の強みと弱みを改めて知ったのでしっかりとその強みを伸ばせるような営業のスタイルにパワーを集中させたのです。

それからは、お客さまの課題解決に繋がる広告プランを次々と提案し、効果がどんどん伸びて、社内のナレッジ共有会でも自分の事例が取り上げられるようになりました。今までそんなふうに評価してもらったことがなかったので、すごく嬉しかったですね。休暇中に頭の中で描いていた「社内外から頼られる、存在感のあるビジネスパーソン」というイメージに一歩近づけた気がしたし、ゼロだった自信も徐々についてきました。

「自信も余裕も全くない」“目立たない社員”だった私がサイバーエージェントのトップ営業になるまで
(画像=『Woman type』より引用)

こうした働き方のシフトチェンジができた背景には、もちろん弊社の組織が柔軟だということもあるのですが、一番の要因は上司との関係性が変わったことにあるような気がします。自分が何を目指しているのか。そのためにどういう環境を望んでいるのか。包み隠さず本音で伝えるようになったおかげで、最適なアシストをしてもらえたと思っています。

こうお話しすると、誰もが上司との関係に恵まれているわけではないと思うかもしれませんね。私自身も会社員生活の中で、自分の未熟さゆえに上司との関係にとても悩んでいた時期もありました。自分のことを理解してもらえている気がしないし、自分の本音を言いたいと思えるような環境ではないと思った時期もあったのです。でも、そういう考え方自体が、そもそも間違っていたと今では思います。

当時の私は上司に対して「自分のことを分かってくれていない」と相手や環境のせいにしていたけれど、私自身が分かってもらうための努力を怠っていたことも事実でした。上司と言っても、赤の他人。何も言葉にせずに、「全部察して」なんて思うのは、私のわがまま。小さなことでもちゃんと自分から伝えないと伝わらないものですよね。

また、上司と話すときは「これはしたくない!」っていう愚痴として伝えるのではなく、「もっとこうしたい」というポジティブな要望に変換して伝えた方が、応援してもらいやすいことにも気づきました。同じことを言っていても、受け取られ方は全然違います。

上司は、自分の望むワークスタイルを実現するために味方になってくれている人なんだと捉えられるようになってからは、ずっと仕事がしやすくなりました。

自分をよく知るタイミングに、遅いことはない

「自信も余裕も全くない」“目立たない社員”だった私がサイバーエージェントのトップ営業になるまで
(画像=『Woman type』より引用)

今振り返ると、当時の私は、「何でもかんでも一人でやらないと気がすまない」抱え込み型人間だったんです。その結果、キャパオーバーになってパンクして、勝手に自分を追いつめてしまいました。でも、会社という組織で働いている以上、私しかできない仕事なんてない。大抵のことは周囲の人にもっと助けを求めていいんです。そう気づいてからは、なるべくチーム全体で仕事を最適化するよう心掛けています。

自分と向き合う時間を取ると決めたときは、「営業成果を出せていない自分が休みなんて取っていいのかな」とか、「自分がいなくなったせいで抱えているプロジェクトに支障が出たらどうしよう」なんて心配もしていました。けれど実際は、大きな支障なく会社は普通にまわっていたし、周囲の皆も相変わらず優しかった。一人で抱え込んで仕事が成り立っていたわけではなく、チームとして仕事がまわっているということに気づけたのも、一度立ち止まって内省できたからです。

今の世の中は、女性も一生働き続けることができる社会。若いうちに体を壊してしまって“働けない”なんてことになってしまったら、元も子もありません。だから、自分を見失いそうになったら、ちょっと休んで、深呼吸をする時間を取ってみることも、長い人生の中であってもいいと思います。私は自分と向き合う時間を設けたことで、しっかりとエネルギーを蓄え軌道修正し、大好きな営業にまた向き合うことができましたから。

もしまた仕事で躓いてしまうことがあっても、その都度、自分の心と向き合って答えを出せばいい。そう思えるようになったら、不安も一気になくなりました。自分なりの立ち直り方を知っているって、とても大事なことですね。


提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)

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