妊娠初期のくしゃみが胎児に与える影響について考えます。妊娠初期にくしゃみがよく出る人や、くしゃみ時に腹痛を感じる人は多いようです。くしゃみが胎児に与える影響は大きいものなのでしょうか?くしゃみに付随して起こる尿漏れについても解説を加えます。

妊娠初期は、くしゃみがよく出る?

そもそもくしゃみとは、鼻に直接感じる刺激や、アレルギー反応などによって起こる生理現象です。鼻や口から激しく空気が放出されるので、公の場では失礼に当たることもあります。

ところで、妊娠初期の人がくしゃみをした際、「痛い!」と感じるほどの激しい腹痛を経験することが多いようです。しかも、その腹痛をともなうくしゃみが、普段よりもよく出るようになった、というウワサも聞きます。
実は、この現象には立派な科学的根拠があるのです。

妊娠初期にくしゃみがよく出る理由とは?

妊娠初期の人は、体内のホルモンバランスが変化し、免疫力が低下することがあります。すると、体が普段よりも敏感になり、鼻の中に入った異物(ホコリや花粉など)に過剰な反応をするようになります。つまり、鼻水が異常に流れたり、くしゃみがよく出るようになる、ということですね。

ホルモンバランスが変化すると、くしゃみがよく出るようになるだけではなく、肌にも異常が現れる場合があります。肌が荒れたりにきびが出たりしやすくなるのも、妊娠初期の特徴です。

妊娠初期によく出るくしゃみで、胎児に影響はでる?

口や鼻からたくさんの空気が放出され、時に大きな声や体の反動をともなうくしゃみ。リアクションが大きくならざるを得ないため、安静にすべき妊婦の方にとっては悩みの種になるかもしれません。
できるかぎり胎児への刺激を少なくしたい妊娠初期に、くしゃみがよく出る現象は見過ごすことはできません。

特に、妊娠初期にくしゃみをすると、おなかが痛いと感じる人も多いようです。
ちょっと痛いくらいなら平気ですが、これが激しい痛みだった場合、胎児に悪影響が出ていないか、本気で心配してしまうでしょう。
やはり、妊娠初期のくしゃみは、胎児に大きな影響を与えてしまうのでしょうか?

妊娠初期によく出るくしゃみのメカニズム

妊娠初期にくしゃみをして、おなかが痛いと感じることもあるでしょう。しかし、その腹痛は子宮が収縮した痛みではなく、子宮の周りの筋肉の収縮による痛みなのです。
妊娠して子宮が大きくなると、それを支える筋肉や靭帯は常に固く、緊張している状態が続きます。そこに、くしゃみによって大きな圧力がかかると痛みが生じるのです。

つまり、あくまで子宮周りの筋肉の緊張が腹痛の原因であり、子宮への直接的な影響は少ないのです。
したがって、子宮内の胎児に大きな影響を及ぼすことは考えられません。「胎児が痛いと感じているのでは・・・」と思う人もいるかもしれませんが、その心配もありません。くしゃみがよく出ることによって流産や早産をしたケースは、ほぼ皆無です。

たしかに妊娠初期は、妊娠している人が食べる物や運動の影響が、胎児に及びやすい重要な時期です。様々なことに敏感になるのはわかりますが、くしゃみをして痛いと感じたことに、多大な心配をする必要は無いでしょう。