産後の下痢の原因(3) 骨盤底筋の損傷
出産のとき、子宮口が開いてから5時間以上かけて出産した場合や、
3500g以上の赤ちゃんを出産した場合、骨盤底筋にダメージがかかっている場合があります。
膀胱・子宮・直腸などを支えている筋肉なので、そこにダメージがかかると
下痢や尿漏れを起こしやすくなります。
産後の下痢の原因(4) 水分の取りすぎ
母乳育児をしているお母さんは、ママ自体が脱水症状にならないように・便秘にならないように
こまめに水分補給を行っていると思います。
その水分補給で、本人の体が吸収できない量の水分を補給してしまった場合、
下痢になってしまいます。
また、マグネシウムを多く含む「硬水」のミネラルウオーターなどを
日々の水分補給でたくさん飲んでしまうと、下痢を起こしやすくなります。
マグネシウムは、便秘改善のための下剤の成分として使われることもある物質です。
(酸化マグネシウムは便秘薬として使用されています)
日本の水道水のほとんどは、マグネシウムなどのミネラル分が少ない「軟水」です。
(場所によっては硬水のケースもあるかと思います。)
そのため、人によっては飲んだら吐き気がするといった、硬水が体質に合わないケースもあるそうです。
産後の下痢の原因(5) 痔
妊娠中や産後のホルモンバランスの乱れが原因で便秘になるケースが多いと思われます。
また、出産時のいきみや、産後の生活のバランスの変更などで、うっ血が起こりやすい
とも言われています。
肛門周辺のうっ血は、いずれ内痔核や外痔核へとつながり、
出産時のいきみや便秘は裂肛につながります。
内痔核や外痔核は、いわゆるいぼ痔です。
粘膜の下の静脈の血液がうっ血が主成分の腫れです。
内痔核では痛みはないことがほとんどで、外痔核では痛みがあるケースがほとんどです。
内痔核では、出血がみられることがあります。
病院で相談したほうがいいでしょう。
赤ちゃんに影響のない薬を処方してくれます。
重症の場合、手術もあり得ます。
裂肛はいわゆる切れ痔です。
便秘が続いて便が固くなった状態で排便したり、下痢便の勢いなどで、
肛門の一部が裂けたり、肛門周囲の血流が悪化したりする病気です。
便秘気味の人は、特に悪化しやすいです。
痛みがあり、出血もあります。
市販薬で治療することもできますが、産後などの場合は病院で相談したほうがいいでしょう。
痔ろうは、肛門の一部に膿がたまり、肛門周囲膿瘍を起こし、
それが悪化すると発生します。
痛みや発熱などが起こります。
なるべく早く専門の病院を受診することをお勧めします。
産後の下痢の原因(6) その他
産後は、出産で意外と体を酷使している影響や体内環境などがバランスを崩していることが原因で免疫力が落ちやすい状態になっています。
そのため、ウイルス性胃腸炎にかかりやすい状態になっていることがあります。
ウイルス自体は母乳に移行しませんが、下痢や吐き気などお母さんにとってはつらい症状が出ると思うので、病院へ行ってお薬をもらうほうが楽になると思います。
また、消化の悪い食べ物ばかりを食べていたり、自分の食事のための時間がないから…、といった理由で、早食いや丸のみで食事が続くと、消化不良を起こします。
胸やけや吐き気・下痢といった症状が起こることがあります。
逆流性食道炎や胃潰瘍・過敏性腸症候群の引き金になることもあります。